異世界最強のレベル1

銀狐

プロローグ

第1話

 ゲームでは、初めて会う人のレベルを先に見ることが多い。

 理由はレベルが強さへ直結していることが多いからだ。

 レベルカンストなんて普通、確率1%切っている武器なんて当たり前のように持っている。

 どれも最強になるためには、多くのお金や苦労を重ねて最強の座につく。


 そんなVRMMO、【The World of Fantasy】略してTWFは世界的に人気である。

 世界初のファンタジー世界へフルダイブ可能なゲーム。

 総プレイヤー数は1億人を超え、多言語対応自動翻訳付き。

 アイテムもステージも豊富でいろいろな世界が存在する。


 TWFは機材やソフトすべて含めると値段は高いものの、どこの国でも売上1位を勝ち取るほどの人気だ。

 そんな高いゲームなのに課金要素まで付いている。

 普通なら「ふざけるな」と激怒するプレイヤーがいてもおかしくないが、ほとんどのプレイヤーは喜んでいた。

 それほど今までのゲームに飽き飽きしていたんだろう。


 TWFは他のプレイヤーとも交流ができ、ソロやマルチ、ギルドといった交流ができるものが存在する。

 そうなると、もちろん最強ギルドが存在する。

 その名は神の代理人ゴッズ・エージェント

 構成人数は3名。加入条件は厳しく、年に2回ある世界大会で1位になった者しか入れない。

 メンバー全員が最強のせいか、全員神様とまで呼ばれている。

 メンバーは堕天使ダークエンジェルのファラ。

 竜人ドラゴニュートのメル。

 そして俺、ディラというアバター名の黒峰我朗くろみね がろうは平凡青年風のゲーム上最弱種族、人間だ。


 世界一位になったほとんどの者は、各自でギルドをつくり、いろんなスポンサーについてもらう。

 これがなんと暮らしていけるほど儲かる。

 だが、俺たちはスポンサーもなしに自分たちで立ち上げたギルドでとことん遊び続けた。

 元々俺たち3人はゲーム初期から一緒にやっているせいか、世界一位を取った後でもこうして集まった。


 儲からないのにこのギルドにいる理由が俺にはある。

 それは、なんたってこの二人は美少女!

 俺たちギルドはみんな世界一位だからすごく目立つ。

 目立つのは正直苦手なところはあるが、こんなハーレム状態ならうれしすぎる!


「ねえディラ、今日はどうするの?」


 ファラは黒い羽根が生えている堕天使ダークエンジェル

 顔良し、性格良し、胸よしの贅沢3点セット。

 なぜか金髪と腰までの髪にこだわっていた。

 ゲーム内で「結婚してください」と何回も言われたことがあるみたい。

 告白する理由はゲームの中にある結婚制度。

 特にステータスやアイテムに影響がないから形だけなんだが。

 ちなみに世界大会では魔法を上手く使い、世界1位へとなった。


「ギルド戦争だったらうれしいかな!」


 メルは主に槍を使う竜人ドラゴニュート

 黒髪の肩にかかるぐらいの髪の長さ。

 人間との違いは角と尻尾、あとドラゴンの羽があること。

 元々は人間の勇者で剣を使い、世界1位になった。

 しかし、転生アイテムという高額課金アイテムを使い、竜人ドラゴニュートへ。

 理由は「飽きてきたから」だと。

 元気が取り柄だと自分で言っていた。

 ちなみに僕っ娘。


「ギルド戦争かあ……」


 ギルド戦争はギルドとギルドの戦い。

 ギルドによっては人の数が違い、人数によって有利不利がある。

 人数的に考えると俺たちは3人、大分不利に見える。

 戦う場合は相手ギルドへ挑戦の手紙を送らなければならない。

 俺たちギルドは目立つだけあって、手紙がてんこ盛りにある。


「じゃあ今日もやるか。どのギルドがいい?」

獄炎の騎士ファイアーナイト青の宝石ブルージュエル……」

「あっ、いいのあるよ!黒狼の牙ウルフファング!」

「ギルドの世界大会で上位になったギルドか。ちょうどいいかもな」


 個人の世界大会もあれば、ギルドの世界大会も存在する。

 ただ条件は個人で世界大会上位者のいるギルドは参加できない。

 それほど個人で世界上位者は異常なんだ。


「それにこのギルドは今からでも対戦できるやれるみたい」

「じゃあやろう!暇だったし!」

「よし、じゃあ承諾っと」

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