透明色の海へようこそ。
セレン
『鏡の部屋で』
どうやら君は僕のことが嫌いな様だ
君のことは何一つ知らないけれど
これだけははっきり分かる
僕の前での
仕草も
声色も
表情も
全てがそこに繋がっていて
思い違いなんかじゃない
思い込みなんかでもない
何故だか分からない
この世界じゃそれが«普通»で
理由を求めることも出来ない
僕はもう
とっくの昔に諦めていて
怒る気力だって
使い果してしまっている
それでも─
それでもあえて
僕は君に言おう
こんなことをしていて
馬鹿みたいだけど
それほどに
僕は言おう
この拙い言葉で
僕の為だけの
そんな言葉で
「僕は君が大好きだ」
君が目を閉じる
君もこの世界も無くなって
残った暗闇と
この頬の感触は
嗚呼、どうして君は泣いているの?
2人だらけの部屋の中
見えない壁と
触れない君と
独りぼっちの僕と
透明色の海へようこそ。 セレン @telluru3040
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