天使からCall Me
若狭兎
コールミー(呼び出し)
第1話 出会い 1
今日の塾で返ってきた、模試の結果のせいだ。
『C判定』
その文字が頭から離れない。夏休みも終わり、季節は秋へと変わりはじめている。志望校へ受かるための勉強にも、追い込みがかかりつつあるというのに、合格の可能性は
「はぁ」
塾からの
ゴールへの道のりはまだまだ先。例えるならば、ガンダーラにありがたい経典を取りに行く気分だ。
(いけない! こんな気持ちを引きずっていては、明日の勉強に支障をきたすぞ)
気分転換でもしようと、少し遠回りして帰ることにした。あてもなく歩いていると、気がつけば神社の近くに来ていた。
(成績祈願でもするかな? でも、時間的に遅すぎるか)
夜の神社はお
一本の缶ジュースを買い、
『ジリリリーン』
「おわっ!」
不意に携帯のスマホが鳴った。着信に気づきやすいように、着信音は古い固定電話の音にしている。いつもの事ながら、この音は心臓にあまり良くないな……などと思う。
おそらくだが、母がいつ帰宅するのかと連絡してきたのだろう。あんまり遅くなって親に心配をかけるわけにもいかないし、電話に出るか。画面を確認してみると……。
「あれ? 知らない番号からだ」
予想に反し、着信画面には知らない番号が表示されている。いつもなら知らない番号は通話に出ないか、ネットで番号を調べ、必要ならこちらからかけ直したりする。だが、このとき僕は通話ボタンを迷うことなく押した。誰でもいいからとりあえず話をすれば、少しでも気が
「もしもし?」
「もしもし、當間君ですか?」
「そうだけど、どちら様?」
「あっ、ごめんね。私、同じクラスの
えっ、
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