第5話

05


広い廊下を少し進むと、エレベーターがあった。驚くべきに異世界にエレベーターはあるみたいだ。しかしエレベーターっと言っても、かなり古いエレベーターだった。例えば『ホーンテッド◯◯ション』などに出て来る、「外側の金網の扉を開くと透明な折り戸があり、その透明な戸が動く時に自動的に閉まる」クラシカルなエレベーターだ。

しかしビックリはしない。そもそもこの世界に前世の物があったら魔法なんていらないからだ。

そんな話は置いといて、エレベーターに乗った俺達は1階に着いた。

「こちらでは、受付や指名を受けております」

「なるほど………」

「2階に参ります」

「了解」

………、……………


こんな感じで案内してもらったが、だいたいこうだ。

1階は受付や指名。2階はバー。3階、4階は秘密の部屋(防音魔法をかけてある)。

そして5階が俺の部屋。

地下もあるらしいが、バーの在庫や店の主電源と緊急電源などがあるらしい。

当たり前だが、電気や水道を使えるのは俺達だけらしい。

ククルなどのギャバ嬢達はこの俺の買っているマンションで住んでいるらしい。もちろん電気や水道は使える。

「すると、俺は金持ちなのか?」

っと、コルンに聞いてみた。

コルンは頷き、

「この世界で一番の金持ちでしょう」

っと答えた。

コルンによると、俺は100兆インあるらしい。

ちなみに『イン』とはこの世界の通貨である。例えば我々日本人に馴染み深い『円』みたいなものだ。

「我ながらチート能力があり、金持ちは最強じゃねぇ?」そう思いながら朝の内に案内が終わった。



そんなこんなで暇になった俺は、コルンに聞いた。すると、

「特にないので、町をぶらぶらしますか?」

っと聞かれたので、行くことにした。

町は賑やかだった、中央公園で市場が開かれていたり、ピエロが子供達を笑わしていた。しかし中期ヨーロッパの様なモダンな町風景は綺麗だった。

市場で買い出しをしていると店主から

「今夜も伺います♪」

っと言われたので、ビックリしたが言ってやった。

「楽しみに待ってますわ♪」

ってな。我ながらよく言えた。店主から少しばかり値引きとオマケしてもらった。


まだ夜まで時間があったので、何かあっても良いように武器を作ることにした。魔法で鉄や木材を加工出来る事を知ったので、手動で排莢するボルトアクションライフルを作ることにした。

木製ストックでストックの後方には丸い鉄の金具が嵌め込まれたライフルをイメージしながら、「ホヤハ・フサナギ」と呪文を唱えると完成した。

試射したが問題なかった。これで警備は大丈夫だ。

そんなこんなで、何丁か作っていたら夜になっていたので店に帰った。

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