糞だらけ世界の転生したけど質問ある?

ぽてち

第1話

いつも通り友人と帰宅し、いつも通り家族と飯を食い、いつも通り宿題をしてゲームをして寝たはずなんだ。

寝たはず……なんだ……。なのに……なんで……。

「あんた誰?」

こっちが聞きたいわ。

「早く名乗りなさいよ。」

「言った人から名乗るんだよ。」

「そんなルール聞いたことないわ。早く名乗りなさい。」

ムカつくなこの糞娘。

「岩崎 葉平だ。あんたは?」

「ちょっと待ってー……。あ、あった。よかったね。あんた異世界転生できるよ。」

質 問 に 答 え ろ 。

「で、あんたの名前は?」

「アリアよ。」

(性格に合わない名前だな。)

ん?てか異世界転生って……

「な、なぁ。異世界転生するなら俺チート系?」

静かな沈黙の中、アリアは手元にある紙の書類を見た。

「どんまーい。あんたチートじゃなくて普通にLv1から始まりますよ〜。」

ムカつく笑顔をこちらに向けて、悪意のある言い方で言った。

「まぁ着いてきて。良いものあげる。」

椅子を立ち上がり、歩き出したアリア。

「あ、あぁ。」

急いで着いていくが、意外と歩くのが早かった。

しばらく歩くとアリアはピタッと止まり、どこからともなく現れた扉の前に立った。

「今から葉平に神の護符を与えてやるわ!着いてきなさい!」

なんだこいつ……一緒に居るだけでも体力削がれる……。夢なら早く覚めてくれ…。暖かいお布団で寝たい……。

アリアは扉を開き、よく分からない機械の前に立った。

「今から武器を選ばせてあげるわ。葉平の世界ではがちゃって言うのよね?」

「ゲームとかのな。」

アリアは横にある何かをクルクル回し始めた。5回くらい回し始めたら機械が動き始め、アリアは戻ってきた。

「ふー。しばらく待ってたら出てくるわよ。どんなのが出てくるかしらね。葉平の1人前は大剣だして引きずって行ったわ。」

うわぁ……なんか心配になってくるわ…。

「あ!武器が出てくるわよ!」

そんなテンション上がるか?普通。

「ほら!これ見なさい!」

「んー?」

渡された羊皮紙には

<金の裁ち鋏か銀の裁ち鋏>

と、書いてある。

「え、ええ?2枚目出てきちゃった……。まぁいいわ。葉平!サービスよ!」

「えぇ……もうこれ以上いいよ……。」

無理矢理渡された羊皮紙には

<白の双剣>

と、書いてある。

「ほら!貰いに行くわよ!」

手を強く引っ張られた。もげるかと思うくらい痛かった。



貰った時、俺は少しこの世界に希望を持てたかもしれない。何せ、こんな強そうな武器だ。少しは希望くらい持つだろう。

俺は銀の裁ち鋏を背中にかけた。裁ち鋏は予想をはるかに超えた大きさだった。双剣は、まぁ予想をしていた大きさだが、とても強そうで安心した。

「ほら!次は防具よ!初めはやる事いっぱいあるんだからのろのろしないで欲しいわ。」

「ごめん。」

あぁ、なんか凄く良かった。こんな強そうな武器で良かった。

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