第6話 電話の真実の欠片

俺は夜の街を歩いていた

未成年だった俺の電話でのやり取り

それを思い出してはなぜああなったのだろうと考える

代わりの話で説明するならば

愛する人の家に強盗が入ったとする

俺はたまたま立ち寄った

現場に遭遇する

それなら愛する人を守るために銃弾を強盗にぶちこめばいい

それなのにその銃弾は過って愛する人に撃ってしまう

問題はそこだ

果たして俺は愛する人を守るために撃ったのか?

さて話を電話に戻す

つまりは何かに、のりうつられたかのように俺は言葉を言っていた

誰も信じないだろう

俺は煙草に火をつける

しばらく愛する貴女に会っていない

元気にしているだろうか?

気付けば貴女の家に続く道を歩いていた

月は欠けている夜空だ

貴女は家の前に居た

そうして俺を見つけて抱きしめる貴女の体温が優しかった

俺も安心する

貴女の目から涙が一粒おちる

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