第7話 希望。そして、激闘の末に。

 俺は、今巨大な死神みたいな化け物二体と対峙している。

(あいつのステルススキルの本当の効果がやっとわかった……!)

 今二体の化け物は姿を消して鎌や魔法を使って攻撃してきている。俺はそれを凌ぎながら魔法を発動する。この形成を覆すために……!!

「エレメンタル・バースト!!」

「ΘβψΔΞδΞΦ!!」

 二体の化け物の悲鳴が響き渡った。と同時に二体の化け物がステルスを解いて姿を現した。

 俺はエレメンタル・バーストという無属性魔法によってこことは違う座標に攻撃を仕掛けた。すなわち、俺と化け物は別々の空間にいたのをエレメンタル・バーストで引きづりだしたのさ。同じ空間に。

 二体の化け物が怒ったのか、怒濤の攻撃を仕掛けてくる。四本の鎌を凌ぎ、魔法を防ぎ、反撃の隙を伺う。

(ちっ……。このままじゃ埒が明かない……。勝負の決め手になる魔法はないのか……!!)

 俺は必死に模索する。その刹那。

カッ!!

辺り一面が光った。レギーロと騎士団員達を瀕死に追いやった謎の魔法。それがおれに襲いかかる。

「うがああぁぁぁぁ!!」

 何かが全身に突き刺さり、身体中に痛みが走る。俺はそのまま何かに押し出され壁に激突する。

ドゴオオオォォン!!

「かは………!」

 俺は、意識が朦朧とするなかでどうにかして回復魔法を掛ける。

「……リカッ……バリー……」

 自身に回復魔法をかけ、どうに戦える程度にまで回復した。

 俺はフラフラしながらも立ち上がりながら考える。

(……あの正体不明の魔法は多分、発光を使って目眩ましさせて、針みたいなのを飛ばす魔法にステルスかけてんだな……。何か策は……!!)

 俺は必死に考え、あることに至った。

(……あの魔法はもしかして連発できないのか……?1度目の発動から大分時間が空いての二発目だった……。もしくは一定時間に一回発動するのか……)

 色々と俺が考えを巡らせていると……。

 ーーーーーー!!

 後ろから本能的な恐怖を察知し咄嗟に防御魔法を展開する。

ガキイイイイィィィィ!!

「ぐうぅぅぅ……。ぐぁぁぁぁ!!!」

 俺は2体の巨大な死神みたいな化け物の鎌による重力攻撃に耐えきれず、後方に吹っ飛ばされる。

「がっ……!ごふっ……!」

 壁に打ち付けられ、血をはいてしまった。

(く……。考えるのに気をとられて気配察知を発動してなかった……)

 俺は自身に再度リカバリーをかけ、回復した。

(……魔力もあと少ししかない。……最上級魔法はあと一回しか使用できないな……。ここで決めるしかない……!!)

 俺は2体同時攻撃をかわして、受け流して、防いでどうにか凌ぐ。

(まだ……!まだか……)

 隙がなかなか見当たらない。連続で二体から攻撃をかわしながら魔法陣の構築は難しい。簡単な魔法なら可能だが、精密さを要求される魔法では不可能だ。想像力がもっと高くなければ精密さを要求される魔法でも構築できる。だが今の蓮斗ではいくらチートと言えどレベル不足故に不可能なのだ。

 俺は、二方向から襲いくる高速の重力球を間一髪で回避。引き寄せられそうになるところを「反発」で回避する。反発により重力に押される形になり、その反発を利用して死神みたいな巨大な化け物から遠ざかる。

 俺はその刹那で考える。

(あいつらを足止めするには目眩まし程度じゃだめだ……。……!押し潰せば行けるかもしれない!!)

 俺はそう考えて、

「重力操作!圧縮!!」

 あの二体を対象に重力を上から圧縮し押し潰す。

「「ΦΜδЙ#θηΜ!!」」

 二体の巨大な死神みたいな化け物が重力をに抗おうとするが、立ち上がるのが精一杯だった。俺の時間稼ぎにはこれで十分だ。

 俺は自分の使う魔法の魔法式、そしてそれによって構成される魔法陣を組み立てる。あと少し……。魔法式の追加……。魔法陣の歪みを修正……。魔法陣の核を形成……。魔法陣の核の補正……。出来た!!!

「モート・オブ・ライトニング!!」

 俺がそういうと、重力に抗う二体の死神みたいな巨大な化け物の頭上に巨大な魔法陣が出現する。すると、その魔法陣から突如水色の光が溢れだし、二体の死神みたいな巨大な化け物を飲み込んでいく。

「「ΦθΞβαΨδЙΜ!!!」」

二体の巨大な死神みたいな化け物が悲鳴をあげる。だが、水色の光は容赦なく二体の巨大な死神みたいな化け物を焼き尽くしていく。

 しばらくして魔法が収まり、魔法の発動していた場所を見る。そこには二体の巨大な死神みたいな化け物の姿はなかった。気配察知を発動してもそれらしき気配は皆無だった。

「はあ、はあ、はあ……。なんとか……ギリギリ勝てたな……」

 俺はそう言うと安心した気持ちになり、力なく地面に倒れた。

……皆は今頃無事に地上についただろうか……?

 俺がそう考えた直後、意識は闇の中へと消えていった。

 

  

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