#なぜかスライムがたおせない。
はむ
第1話 スライムがたおせない。
今日も平和だ。
暖かい日差しが辺りの雑草を照らしている。
この世界に来たのはだいたい1週間くらい前のことになる。1週間しか経ってないし、この世界の生き物もまだ見たこともない。だからこの世界の仕組みもさっぱり、。
なぜかおなかもすかず、喉が渇くこともない。不思議な世界だけど、おかげで食糧とか水とかが無くても助かっている。いつ死ぬのかも分からないし、正直ちょっと怖い。
そこらへんにある雑草はなぜか色が変わる。
朝はたしか赤、昼には水色になって夜には紫になったな。最初は不気味で怖かったけど見慣れてしまった。そんな雑草たちが、この世界は前いた世界と違ってることを物語ってる気がする。
今日もただただ散策をしている。でも何にもないし、何にも起こらない。流石にひまだなぁなんて、えっ、、なんか動いてる、。
むこうの方でなにやら小さなものがぴょんぴょん跳ねている。
なんだあれ、、、。ちょっと行ってみるか。
そこにはちいさなぷにょぷにょした塊があった。なんだか水っぽい。
これってもしかしてスライムなのか?あの、ゲームとかでよくでてきてたやつ。
こいつ、何にも話す気配とかないな。どうしようかなぁ、。
確かゲームだったらスライムを倒したら経験値とやらがもらえるんだよね。あとドロップアイテムとかもあったっけ。倒したらいいことがあるかもな。まぁ、倒すのは簡単だろな(笑)ちょっと可哀想だが許してくれ。
えいっ、と一発足で踏んずけてみた。
ぐしゃって弾けるかななんておもったけど、潰れずに妙な感触が残った。でも倒すことはできただろう。さて、何が起こるのかな、?
足を上げるとまた塊はまたぴょんぴょん跳ねだした。
えっ、、ええぇぇっ!?
いや、倒せんの、、。
こんどは手で握りつぶそうとしたけど、潰れそうにない。引きちぎろうとしたけどゴムみたいにまたもとに戻る。
いや、マジか。
何回も何回も蹴っては握ってみたけど手ごたえはない。
しょうがない諦めるかぁ、。
と、その瞬間スライムがこっちの胸に跳んできた。
俺は弱いと知ってるのになんでなつこうとしてくるんだ、?
なんて考えは甘かった。
スライムが自分の体に触れた瞬間だった。
うううっっ、、、!!!
体全体にビリビリと電気がいきわたるような衝撃がきた。その衝撃はやがて耐えられそうもない痛みへと変わっていく。そんな痛みから抜け出せない恐怖が襲ってくる。苦しい、、。
目を覚ますと、目の前にはさっきのスライムがいた。
なんだよ、強えじゃねぇか、。死にはしなかったんだな。
「俺に従え。」
いやっ、お前喋れるんかい。先に言えよ。
急に俺に従えって言われてもなぁ。流石に従うっていうのはしゃくだ、、
「まよってるのか?、、、もう一回くらうか?」
「いや、いいですいいです。従わせて頂きます。」
もうあの攻撃はくらいたくない。ついつい敬語になってしまった、。
「ならいい、ついてこい。」
「わかったよ。」
「わかりましただろ?」
「はいはい、わかりました。」
なんて上から目線のスライムだ。
まぁ逆らえそうにもない。
しばらくは従っておこう。
#なぜかスライムがたおせない。 はむ @admjg
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