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  •  これ、やりたくなるのはわかります。僕も何度も書こうとしたことがあります。真面目にファンタジーを書いても、流行りのテンプレ作品にPVでは圧倒的に及ばない。それでタイトルをそういう感じにしてみる。
     テンプレっぽくしながらも、中身は工夫を凝らそう。そう考える。

     PVは伸びましたね。圧倒的です。文章が簡単なので、タイトルで取り込んだ読者がそこそこ続けて読んでくれてるみたいです。
     でも、小説としてはどうでしょう。

     突き放した視点。神視点に近いですね。
     でも、はっきりした語りがあるわけでもない。時間軸まで遠くあいまいだから臨場感はない。こんなです。あんなです。そんな文章が延々と続く。

     テンプレ小説の力を借りて作品を書くのであれば、臨場感は必須です。自分が体験しているように。これがなければタイトルだけそれっぽくしても、看板効果だけで終わってしまいます。

     えっ、この人が……。
     そんな衝撃を受けたので思わずこんなコメントを書いてしまいました。


     ただ、書いているうちに、もしかしたらこれは新感覚小説なのかなとも考えてしまいました。
     リズムと繰り返しとを使った作品だとすれば、そういうのもあるのかな。

     やっほいやっほい剣の国。娘は呪文を口ずさむ。
     彼は遠くを眺めては、正体明かさず走り去る……。みたいな感じの文章を重ねたものだと考えれば、僕が最初に感じたことが全部ひっくり返るかも。

     これはひとつの感想です。挑戦はいいことです。まとまらなくて、ごめんなさい。

     

    作者からの返信

    油布 浩明さん、コメントありがとうございます。

    油布さんの抱いた違和感、僕もよくわかります。
    これまで書いた自作のように、僕は自分のことを、いわゆるテンプレ作品とは縁遠い人間だと思っていました。むしろ「書けない」「ファンタジー書きの矜持が許さない」と。

    ところがあるとき、どなたかのエッセイで、「今のWeb小説は進化の必然である」という意見を読んで衝撃を受けました。
    テンプレ作品は、読者と作者が「読みたいもの」「書きたいもの」をトライアンドエラーで積み重ね、進化(適応と言った方がいいかもしれません)していった結果であると。
    これをきっかけに、少し見方が変わりました。

    テンプレ作品は、これまでの自分の常識とは別次元のところにあるのではないか。
    そしてそれは、自分の常識と比較して優劣を付けられるものではなく、上も下もないのではないか。
    だとしたら、テンプレ作品をもっと見つめ直すべきではないか。
    こういう考え方にシフトしました。

    とはいえ、もともと硬派な作風の自分が、進化した先のテンプレ作品を求める読者の方に提供できるものは、あまり多くありません。
    ならば、提供できそうなシーンに絞って描いてみよう。
    このような発想で、本作のコンセプトができあがりました。

    油布さんがおっしゃられた「新感覚小説」――そのように捉えて頂けると、僕としてはとても嬉しいです。

    今の個人的な思いとしては、本格的なハイファンタジーや完成度の高いファンタジーの問題点は、PVが少ないということではなく、それを求める読者の手に行かない(そういう仕組みがない)ことではないかと思っています。
    いつか、PVや流行を気にすることなく、感性の近い読者作者が、より確実に(ここ重要)、結びつくような空間になればいいなあと思います。
    今のところ、それが出来ているのがテンプレ作品に限られている、ということではないでしょうか。

    僕もまとまらない返信となって申し訳ありません。
    小説に上も下もないと考えると、ちょっと気持ちが楽になりました、というお話です。

    油布さん、改めて貴重なご意見、ありがとうございました。
    これからもお互い頑張りましょう。

  •  一万年……。
     普通は聞かないんですが、正直な感想を言ってもいいでしょうか?

    作者からの返信

    油布 浩明さん、コメントありがとうございます。

    大丈夫です。
    ご意見、有り難く頂戴します。