蜘蛛の脚

 便所に出た蜘蛛の

 脚の一本一本は大罪である

 叩いて落とそうものなら

 豚となり 蛇となり

 襲いかかかる

 残りの一つは胴体である

 恐らく嫉妬であろう


 地獄から救ってくれるという

 芥川の小説もある

 だがあれはあくまで蜘蛛の糸

 垂らしたのは釈迦であった筈だ


 蜘蛛には何の慈悲も無い

 こちらからも あちらからも

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