Psycho

@yukimura123

Psycho第一話

桜の丘学園。四月。入学式の日。私、遠月雪。全県第一の成績で、入学しました。

入学式の札は校門の傍に立っている。

おかしい。

皆、何故かもう仲良しになったのだ。

ムカつく。

「ちぇっ、新入生のくせに。」

小声でぶつぶつ言ったながら、

私は校門の向こうに踏み出した。

学園の真ん中にあるのは。

巨大の桜の木。

満開の桜。

もちろん、ペラペラ喋ているの新入生たちも。

いるのだ。

超ムカつく。

「ハイハイ、生まれたの時は既に一生の「友達」と約束した。」

「感心、感心。」

そう言った。心の中で。

正直に言うと。

私、

遠月雪。

こんなの「仲良しごっこ」については。

興味がない。

そう考えて、新入生たちの後ろについてて。

体育館の向こうに歩いた。

けれど、

これは本当にいいのか。

体育館。

黒山のような人だかり。

「私の位置…」

「あ、あった。」

片時。

校長先生ような人が教壇前に立っていた。

「えっと、四月は、我が校の桜満開の月だ。皆さんは高校入試以来…」

語っている。

詰まらない。

大きな日本国旗の下で。

相応しくないな、詰まらない人間が立っている。

「続いて、新入生代表、遠月雪さん。入学式スピーチお願いします。」

あ、自分が呼びされた。

妄想が止まって、私は教壇に歩く。

原稿を読みしよう。

「わたくし、遠月雪。今日で…」

詰まらない。

この詰まらないさは、

きっと高校卒業まで、

続いていきましょう。

当時の私、

そう考えた。

あれ、なんか不自然な音が聞こえていた。

新入生たちから。

疑惑。

「私の原稿が何か変か。」

快速チェック。

普通だとというより、むしろ些か退屈な原稿であった。

「だったら何故か…」

不自然な音が益々大きくなった。

「一体、何か…」

頭を擡げった。

男の子。

正確にいうと、

歩いているの男の子。

人の海から通り抜けて、

教壇の方位に歩いているの。

男の子。

それとも、

私の方位に…

「はぁい?!」

私は緊張した。

この私に、

遠月雪にとって。

「緊張」は初めて感じた。

男の子はゆっくりと歩いて、

遂に、

教壇の前に、

私の前に、

着いた。

「よいっしょっと」と

彼はそう言いてったの同時、

私前の教壇の上で、

飛び上がった。

恋、やっぱり恋だ。

子どもにとって、事件は恋であった。

「新型壁ドンだ!これ。」

私そう思った。

「彼は私のことを一目惚れしちゃった、そして大胆な愛の告白を!」

「そんなんじゃ…」

「返事はどうしようか…」

私今は大混乱中。

「もう、小説じゃないし!」

一秒、二秒、三秒…

教壇上の男は、

何も言わなくて、

ただ、

静かで、

私の目を、

注視してだけだ。

第一話終

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