異世界に転生してきたやつ全員ブチ〇す
ヤマダ天気
プロローグ
───
×××
とある魔王城にて───
この世界を実質的に
あまりの恐怖から、
圧倒的なまでの強さに
勇者と呼ばれる実力者も何度か現れはしたがその度に世界平和への期待を寄せては、魔王軍に報復を受けるという忌まわしき歴史を繰り返してきた。
世界は
希望をなくし、ただただ支配される事を受け入れるしか無い…そんな中、世界の外からやってきた
最強の
「我の
「名乗っても意味無いだろ、どうせお前は死ぬんだし…」
「この我の前で、
「キサマ、我と一緒に世界を手に入れないか?殺すには惜しいぞ…その力!」
「あいにくだが、俺はお前を倒して田舎でスローライフを送るのが夢なんだよ」
「そうか……残念とは思わぬ。ならば、消し炭になってもらうまで。」
そう言い終えると、顔からは笑みが消えた。
今より
「悔いて
差し出した
それが
「へっ…レベル999の勇者様を…」
勇者は何のスキルも魔法も使用せずに、単に右手だけを身体の前に出した。
「なめんなよ。」
小さく言い放つと魔弾は勇者に直撃した。
魔弾は直撃後、特性として持つ
その
「私は生物としてのレベルが、貴様らとはかけ離れているのだ。全く……強すぎるというのも孤独なものよ。」
巻きあがる
確かに1つ、不自然な影がある。
魔弾は確実に命中したのだ。ヤツには避ける
だというのに……なぜだ。
───右手を出したまま、変わらぬ体勢で立っているではないか───
「お前の独り言は正しいよ。強すぎるというのは、寂しく、つまらないものだ。やっぱ田舎のスローライフ最高。」
「おのれェェェエエエッッッッ貴s……」
確かについ先程まで、魔王はこの世界において最強の存在だった───
曰く『神をも屈服させる脅威』、『暴虐と破壊の体現者』などと呼ばれ極めて畏れられていた。
───世界には平和が
×××
勇者が、その違和感に気が付くのにはそう時間を要さなかった。
すぐに後ろを振り返ると身に覚えのない、この世界のものでは無いと確信できる
『よう、レベル999のチート野郎。』
『スローライフ
その異様な空間の歪み(?)のような部分から、1人の若年の男が出てきた。
何やら、勇者の事情を知っているような口ぶりをしている。
「何者だアンタ?魔王は俺が倒した。もう間もなく、この世界には
『……違うんだよなぁ、チート野郎。ここには本来、テメェじゃない来るべき勇者が居たんだよ。テメェが異世界から来て一瞬で魔王倒したせいで、この世界の歴史が狂っちまっただろうが!!!』
男の言うことが、勇者には一つたりと理解しがたかった。この男は何を言っているのか、魔王がいち早くこの世界から居なくなって、何をキレられる
「おい
既にお互いが
かたやこの世界で最強となった勇者───
あの強大なる魔王を討ち果たした英雄。
かたや全ての情報が
最強の勇者に口喧嘩をふっかけたという実績しか現時点では持ち合わせていない。
『テメェは今すぐブチのめす。』
「いいだろう、ひと
先に攻撃を仕掛けたのは勇者だった。
その剣戟の初動は先程とは比較にならないほど速度を増し、たとえ先の魔王が10体居ようと、同時に斬撃を加える事が出来るであろう領域にまで達していた。
カンストした速度ステータスと、右手に握る
踏み込んだ右足に力を込め、一呼吸で瞬発的に相手の
『くっ……はえぇなぁ、オイ。』
すぐさま男が防御体勢へ転じようとする
情報を与えないうちに、
『───源流よ此処に(カタストロフィ)』
聖剣は鈍く輝き、攻撃力を著しく上昇させ、剣先は確かなる破壊力を保ったまま、男に確実に届き得た。
「あっけないね。ちなみに今のスキルは、不死殺しと呼ばれるカテゴリーのもの。」
「
男は多量の血を流し、地に
勇者が倒れる男を、まして自身の行動を不可思議だとは思うことはない。
なぜならその行為は敵とみなしたものに対して、正当なる強さを提示したに過ぎないからである。
仮にもレベルは999、そう簡単にやられるはずは無……………………
『この両腕が、なんだって?』
いや、しかしそれどころではない。
男はあの
───何事も無かったかのように反撃を実行した───
勇者の身体は、男の攻撃を受け凄まじい勢いで燃え盛っていた。
しかも驚くべきは、燃えているはずの勇者自身もその炎が視認できない点にある。
まるで無色透明な炎…としか表現のしようがないものがさらに火力を増して皮膚を、筋肉をみるみると焼け焦がしていく。
『腕と心臓は【
『そして、俺の所有する【
『
人一倍、余計にステータスが高いせいでより長く苦しむことになるのだから
───こうしてこの世界に真なる平和は訪れた。
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