序章 第3話 王都オーラムにて
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×××
世界が危機に
同時に全能なる神も地に
それは言うなれば、
『
回収された根源は、いわば神様の栄養源となり、そこから生み出される『
しかし点在する複数の世界が本来あるべき姿から遠ざかった時、この
本来得られるはずの根源が、不十分にしか回収されず運営は徐々に困難になり
熱量が供給されなくなった世界は、他の世界へ吸収される。
吸収被害を受けた側の世界は消費する熱量容積のみが肥大化し、生み出される根源と運営する為の熱量が不釣り合いな関係に陥り、やがてそれが続くと最終的には…
あらゆる生命があらゆる次元から
異端なる彼らが築き上げる地位や名誉等に比べて
まさに加速度的に増加し続ける、それらの『ありがた迷惑』を今すぐにでも止めさせなければ、世界は
そういった意味で言えば、代行者とは本質的な正義の味方であり、
×××
そこは当初、ほの暗い空間という印象だった
具体的な場所や時間や、どういった方法や
「いいかい?今から君には特別な
特段、拘束具のようなもので動きを止められている訳ではない…
が、しかし何故か手足が自由に動かない状態であることが明確に分かる。
むしろそれ以外の事柄は、まるで記憶に霧がかかったように
「眉間にシワ寄ってるよ~苦しそうだねぇ!けど大丈夫だよ。」
少しずつ霧が晴れていくようだった
見渡すと辺りは黄金色の雲海が視界全域に広がっている。
雲海の上には、いかにも。と言った感じの
すぐ目前には階段があり、その上にある
「ボクの存在はね、キミたちが神様と
ほとんどが想像に浮かぶような光景だったが、その声の主だけがこの空間の中では
「細かく説明すると、神様にも色々な種類があるんだけどね!その中でも頂点に座するのがこのボク!!」
「全能神とも呼ばれるけど、とってもえらーい神様って事だけ分かってくれたら嬉しいな!」
容姿を
服装は高貴そうな布を一枚羽織り手足に幾つか
「そんな君は、幸運にも選ばれた!」
「君には唯一無二のボクの右腕として、世界を救う役目を与えよう!!」
気分良さそうに、その小さな神様は
言葉には自身が満ちていた
そこに偽りはなく、そしてこの神様の
「君に与える権能は3つ!これを上手く使いこなし、任務の
面倒ごとは嫌いなはずだったのに、なぜこんなにも
この時はまだ知る
×××
正門到着後、入国手続きに予想以上に手間取ってしまい、気がつけばすっかりと陽は昇りきってしまった。
「いやぁ、やっと入国出来ましたね...«Mr.アーサー»」
「ミスターはよして下さいよ、あはは…」
疲れ果てた表情でテスラは言った。
───アーサー…か。
この世界には、かの有名な騎士王伝説が異なった形で
詳しい歴史や文化などは、その地で実際に調査を行わなければ分からないのが常である。
そういった知識を補うことも、任務の円滑な遂行に関しては重要視しなければいけない部分だ。
「私も実はここへ来るのは初めてなんですよ。けれど、聞いていた話と少し違って驚きました。」
「そうなんですか?」
「ええ、あの正門は王都全体の各箇所に設けられている門戸の中でも、最も容易く通過する事が出来ると聞いていたものですから。」
多少の違和感はあったが、気にするほどのことでは無かった
この程度は
「ところで入国手続きというのは、具体的には最低限の
「ええ、そうでしたね。」
「そこで思ったのですが…私はまだ、あなたのことを何も知らないなと思いまして…」
この発言から察するに、現時点では俺の正体には気がついていない様子
例え勘づいたとしても、不審な行動をとった瞬間即座にブチ〇せばいいだけの事。
「確かに、そうでした。私としたことが…無礼をお許しください。」
「あっ、いえ…そんな!」
「私は遥か東方に位置する、『エータル』という灼熱の大陸群…その中でも小国の『メギ』の出身。今は家業の商いを継ぎ、各国を飛び回っているのですよ。」
「なるほど…その全身を
「どちらかと言うと、民族的な風習という要素が強いですね。でも確かに機能性も
「なるほど…(容姿は、ボサボサの黒髪で年齢は二十歳前後くらいかな?)」
言葉を交わしながらしばらく歩くと、王都の中でも最も大きく最も高い、そして最も
ここは王都オーラムという都市である。
王都ということもあり、いくつかの隔壁を越えた先には国王陛下の居住する根城にも
各区画の出入口とされる部分には必ず強固な門が設置されている。
正門から立ち入ることが出来るのは、いくつか存在する居住スペースの中でも最も広く、最も多くの人々が活気づく区画『
奥の区画へ自由に行き来をする為には、この王国の定める法に基づいた階級を必要とする為、故に王政に忠誠を誓い、市民権の獲得を済ませ騎士証明を行い、さらに騎士としての武勲を積み上げるといった何重にも及ぶ面倒事を途方もない時間をかけて行わなければならない。
だが、この国の王がかなりの力を持っていることは確かだ。
オーラムは世界のほぼ中心に位置し、各国との貿易や協定を結ぶにはこの上なく環境に恵まれたと言える。
人口も多く人の行き来も盛んで、加えて国王陛下の従える王立国軍は屈指の
数も質も最高峰の兵士達を配下に置き、
「アーサー、具合でも悪いんですか…?顔色が優れないようですが…。」
「そうですね、歩き詰めで少し疲れてしまいました。宿屋で休息を取ろうかと思います。」
そして…なんとバツが悪いことに、その王立国軍の実質的な
どの程度の実力なのか、どんな能力やスキルを所有するのか、大まかな情報に関してはこの街に滞在すれば分かりそうなものだが、問題はそいつを後回しにするかどうかと言うところにもある。
『俺ルール』と称して、定めた3ヶ条
「①
「② 目立たないこと。」
「③ 他人と関わらないこと。」
これを
全能神から賜りし『大いなる加護』と『
しかし今回は過去に巡った世界と比較しても色々と例外が多い予感がする…などと思惑を秘めていると
「私も、ご一緒していいでしょうか?」
「え?…別に構いませんが…今後はどうなさるおつもりですか?」
「私も、まだまだこの世界のことを知らないなぁと思いまして…つきましては、しばらくパーティ?という形で旅に同行させて頂きたいのです。」
特筆して害も無さそうだが、それにしてもなぜこんなにも人間風情が馴れ馴れしいのか。
まさか…この代行者たる神の遣いが舐められてるのか?
「そうですね、旅路に危険はつきものですし願ってもないありがたい申し出です。」
「本当ですか?!」
「ですが、返答は休息をとった後に改めてさせて頂きます。少々込み入った事情もありますゆえ…」
是非とも検討を…とテスラが言いかけた途端に、都市内でも大きな商店が連なる大通りで悲鳴が上がった。
「おの…れぇ…!!!貴…様は騎士を…
そこには鎧ごと胴体を深々と切り裂かれ、出血のひどい状態で膝をつく立派なプレートスチールを身に
少し距離を置き、恐らくその騎士を切り裂いたであろう
「なんと…
これが必然ならば、俺が出る幕ではない。
代行者の目的はあくまでも標的…つまり異端の者を
魔術師らしき者が騎士に対し
適当に見過ごしておけばと心中で思った時には遅かった───
背の低い隣人は義心に駆られ、渦中の場に飛び出ていったかと思うと魔術師らしき者の前に立ち塞がる。
「一方的に
これは…想定の斜め上を行く展開だな…。
パーティのお誘いは後ほど、検討の余地なく願い下げさせてもらうとして。
しかし、なにか妙な節がある…異世界に転生や転移してきたやつを示すための
通常なら渡航後すぐに
これだけの広さの世界で、なおかつ俺がここに到着してからかなりの時間は経過しているはずだ…原因は一体───
×××
一方、天界では不敵に笑う者がいた。
「神様は本来試練を与えるもの。全てが君の
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