乙章 註

15.-1 ヘリオス。あるいはへーリオス。ヘッラース(古代ギリシア)の太陽神。神話によれば、太陽はへーリオスを乗せて毎日天球を駆ける四頭立ての馬車だという。

15-2. 巴御前。あるいは単に巴。12世紀頃の日本の人物。平家物語に登場するが、実在するか否かは定かではない。源義仲(木曽義仲)の便女。戦に敗れて都落ちをする義仲に付き従い、敵の武者を討ち取る働きをした。

15.-3 羽柴秀吉。たぶん説明不要なので省略。

15.-4 賽の目。鴨川の水。平家物語によると、白河上皇(法皇)がこの世に数少ない不如意の例として挙げたらしい(どちらかというと、僧兵の猛威を強調するための言及だが)確かに賽の目が思うとおりになったらそれはいかさまだし、鴨川は今でこそカップルたちの「等間隔の法則」などで有名な観光スポットながら、歴史的にはしばしば氾濫して都に水害を齎した川だし、譬えとしては分かりやすかったのだろう。ちなみに鴨川については、その河原が河原者(時代によっては被差別民とされていたという説がある)の居住地となっていたり、処刑や梟首の場とされていたりと結構重い歴史もある。

16.-1 走馬灯。回転する円筒を用いて動く影絵を映し出す灯篭。かつて夏の夜にしばしば用いられていた楽しみのひとつ。現代では娯楽としての役割より、色彩豊かにして仏具として使用することのほうが多いかもしれない。

18.-1 ファウスト。後述するゲーテの詩。原語の発音は日本語でいうところのファウストとファオストとの中間くらいのような気はするが、表記は一般にファウスト。

18.-2 ゲーテ。ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。18-19世紀の神聖ローマ帝国の詩人。代表作は「若きヴェルターの悩み」や「ファウスト」など。

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