牛鍋

ー 牛鍋 ー


縁結びのスポット 湯島天満宮


君は昔、そこで巫女もしていたんだって?



僕の赤いお守りに


君の美しい髪の毛を入れてくれた



いつでもどこでも君と一緒


どこへいっても心が温か


君がいるんだ いつも僕に



しかし、その後二つの不幸が現れる



天満宮の帰り道



あそこの丘に見える打ちっ放し


楽しかったよね



しばしの沈黙



私、そこに行ってない



慌てて、僕はとり繕う


違った違った 


専門料亭の牛すき食べたんだったよね



牛すきなんか食べてない



僕のアパートまでの1時間


この間の 君の無言はきつかった



今晩どうする?


牛鍋にする


君がため息の後 ポツリと呟く



明日 もう一度、天満宮の牛 撫でにこよう



あなたは頭 撫でてこなきゃ


私は口を撫でてくるから

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る