第6話 それは昔のこと
そっと触れてみる。
柔らかい肌に驚いて、指が痙攣する。
けれどすやすや眠る姿に、胸を撫で下ろして、また頬に触れる。
やわらかい。
緑の指が眠る子の肌に触れる。
やわらかい。
手を重ねてみる。
小さい。
髪の毛をなでてみる。
自分よりも綺麗な緑に感じた。
とても醜いものは彼女の猫に聞いた。こういう時、なんて言えばいいんだい?
猫は伝えた。
にゃー。それはにゃー。好きって言えばいいんだにゃー。
そうかい。
とても醜いものは、眠る彼女に言った。
スキ。ドロシー。
彼女は、眠り続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます