お供え物は、きちんと忘れないように

 私はとてつもなく、忘れっぽい。

 だから色々と家事をやってくれる、母親がいないと忘れ物が多くなってしまう。

「あんた、またお供え物のご飯片付けてなかったでしょ」

「あー、忘れてたー」

 昨日まで旅行に行っていた母親。

 帰ってくるなり、早速文句を言ってくる。

 私はそれを寝転がって聞きながら、適当な返事をした。

 しかしそれに気づいている母親は、ため息をつく。

「知らないからね。こういうのは気持ちが大事なんだから、バチが当たるかもよ」

「へーへー、気をつけますよー」

 そう言われても、別にお供え物をきちんとしていなかっただけで、どうにかなるとは思えなかった。

 そういうのは考えすぎだ。

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