第8話 犬という友達

わずか半日程とはいえ、ラッシーはすでに、かけがえのない物となっていた。


「杉村くん」

「何?」

「落ち込んでいる場合じゃないよ」

そういうと、早瀬さんは次の犬を連れてきた・・・


「コリー?」

「うん、ミケっていうの?」

「犬なのにミケですか・・・」

「うん、面白いでしょ?」

「まあね」

名前なんて、どうでもよかった・・・


今、ここにいる・・・

それだけで満足だった・・・


やることは昨日と同じだった・・・


少しの間、部屋にミケといて、

昼ごろから、フリスビーで遊ぶ・・・


そして、ふたりでいる・・・

そして、飼い主が迎えに来る・・・


その繰り返しが毎日続いた・・・


おそらく早瀬さんは、僕を犬たちの最終検査にしているのだろう・・・

ここの人たちも・・・

でも、それでもいいと思った・・・


犬は3日飼えば恩を忘れないというが、この子たちは僕を忘れないでいてくれる・・・

そう信じている・・・


約束の夏休みが終わりになった頃、早瀬さんに大事な話をされた・・・



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る