ある意味拷問

勝利だギューちゃん

第1話

スマホがなった・・・

「もしもし・・・」

「あっ、ひろ?今日暇でしょ?

10時に駅前ね・・・じぁあ」


相変わらず、人の話を聞かない女だ。


スマホがなった・・・

「あっ、ひろ?さっきの話だけど、お金は余裕を持ってきてね」

あの女は、俺をどこへ連れて行く気だ・・・


しゃあない、出かるか・・・

「ちょいと、出かけてくるわ」

「うん、お兄ちゃん。またあのお姉ちゃん?」

「ああ」

「お兄ちゃんも、大変だね」

妹にまで、心配されているようでは、おしまいだ・・・


駅前に着いた・・・

「ひろ、遅い」

「お前が早いんだ」

「女の子を待たせていいの?」

「お前は、普通じゃない」

「それに、その服ダサい」

「おしゃれをする相手でもない」

「だめ、今から買いに行きます」

ダサい格好で来ることを、読まれていたか・・・

「お金を余裕に持ってこい」

この為だったのか・・・


こじゃれたアパレルショップで、服装を選ぶ。

かなりの値がはった・・・


この女は、年頃の女の子らしい格好をしている・・・

「ふぅ」

さすがに、疲れるな・・・


「若いんだから、ぐだぐだしない」

「はいはいはい」

「返事は一回」

「はーーーーーーーーーーーーい」

「伸ばさない」

「はい」

「よろしい」

疲れる・・・本当に・・・


「で、どこに連れて行く気だ?」

「言わなかったっけ?」

「ああ」

嫌な予感しかしない・・・


「東京ドーム」

「ワンスモア」

「だから、東京ドーム」

「何しに」

「野球観戦以外ある?」

「帰る」

逃げようとする俺の手を、この女は掴む。


「今日は、ジャイアンツが優勝かかってるのよ!

一緒に応援しなさい」

「何で俺が?巨人ファンなら、その友達誘えよ」

「あんたじゃなきゃだめなの」

わけわからん・・・


ふと思いついた・・・

「今は、CSあるし、その時に・・・」

「大丈夫よ」

「えっ」

「CSも日本シリーズも、あんたを連れて行くから・・」

拷問だった・・・


俺は野球に興味はないが、ぬいぐるみは全球団集めている。

その中には、あのオレンジのウサギもいるのだが、友達が来た時に、

その事だけを、周囲にもらした・・・


そして、いつしかこうなった・・・

今更言いだせないでいた・・・


心の中では、こいつといるのが楽しいのかもな・・・

そう思った・・・


この女の名前?

「長島 春」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある意味拷問 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る