第24話ムラムラ、村々、そうだ。村に行こう。
俺は、休日を利用して、朝から遠出をすることにしたのだが……
「一緒に行く……」
「いや、魔物の討伐だぞ? 今回は遠出だ。と言っても早ければ夜には帰るし。最悪でも明日の朝だな。それ以上は延ばさない」
「いっしょにいく……」
「ウルウルしてもダメだ。少しは離れる事にも慣れよう。ずっと一緒だけど、トイレみたいに別々なのが必要な時もあるんだよ。絶対に帰ってくるから」
「じゃあ、帰ってくるまで続く『スリープ』掛けて……」
と言う事で、ベットに『スリープ』で眠らせて、鍵を掛けて出てきた。
一応テーブルに『絶対に帰るから信じろよ』と書置きも残した。
どれくらい睡眠が続くかは知らないが、起きてしまってもちゃんと待っててくれるだろう。『スリープ』も彼女からの提案だったしな。
これで大丈夫。と、俺はひたすら走った。
今度こそ、もう一人連れてくればそれが切っ掛けになると信じて。
◆◇◆◇◆
着いて早々、村長宅にお邪魔した俺は、予想外の事態に陥っていた。
「いえ、この村でその様な事は起こっておりませんが……」
「……どういう事だってばよ?」
「いや、そんな事申されましても……そういった依頼が出回っていたのですか?」
なん……だと……
イベントは発生しない事もあるのか!?
いや、そもそもこの村のイベントって何だっけ?
ああ! 封印が解けた系だった気がする。そうそう、他で強力な魔物の封印が解けて遠くのオークが大移動してきたとか……
えー、いつ解けるの? もう解ける頃なんだろ?
ここでそのまま帰ったら俺が犯人とか思われそう。
ギルドカード見せちゃったよ……
「いえ、そ、そういう事なら勘違いだったのかも知れません。場所を間違えたかも知れないので、周辺を回ってみる事にします」
「そうですか。ですが、ありがたいことです。この村に何かあった時はどうか、宜しくお願い致します」
こんな丁寧に頭を下げられてしまっては……マッチポンプする気になれない。
いやいや、マッチポンプではないから。俺のせいじゃないし。
だが……このまま放置したらこの気の良い人が死ぬんだよな。
ぐぬぬ、退治しに行くか……今度は妖精の国か。
封印したんならちゃんと管理しろよぉ!
また……また走るんですか……
行くしかないよな。これで滅びたらマジで罪悪感マックスだよ。
名も無き村②を後にして、移動を開始した。
◆◇◆◇◆
名も無き村救出イベントではなく、封印の悪魔イベントを先にどうにかしなければいけなくなってしまった。
そのイベントを走りながら思い出してみると、ある程度内容を思い出せた。
だが、守ると言っても一度掛けた封印は解けた後、弱らせて掛け直すくらいしか術が無い。
ただ見守る事しか出来なかった。それでも見守り続けたエルフの娘。
それがいつになっても帰らなくなった事で事態が判明する。
ドワーフ、エルフ、コロポックル、フェアリーなどが話し合いをするが、こちらに来なかったのだからどうする事も無いという結論に至る。
自分の住処が襲われたらそいつがどうにかすればいいと言う事だ。
そして、まだ少し幼さの残るエルフの青年に頼まれごとをする。
幼馴染の彼女の敵を討ってほしいと。
報酬は、世界樹の枝。
これにクリエイトで色々くっつけたのが杖の最終装備だったからギルドメンバーの手伝いを含めると何度もやっている。
その甲斐あってよく思い出せた。
杖の形が酷いんだ。木がスキルで加工出来ないからなのか、木の枝に色々くっつけただけ。
そんなのが最終装備だった。
もしかしたらその少女も助けられるのだろうか?
お持ち帰りできたりしないだろうか?
幼馴染少年からのNTRで二度美味しいかもしれない。
そんな期待が膨らんでくると自然と速度も上がった。
開門と同時に出てきたってのに、もうお昼近くなってしまった。
これ、少しでも長引いたら夜までに帰るの厳しいな。
そう思いつつも、適正レベルが高い森は出来るだけ魔法をばら撒きながら走る。
当然、魔石や素材はスルーだ。遅れてミラを怖がらせる程の価値はない。
『ソナー』を頻繁に発動させて、確認も適当に赤点に向かって予測した距離に『ライトニングボルト』を放つ。それを全力で走りながら平行できるギリギリの速度で倒していく。まるで、シューティングゲームの様になっていた。
「きゃあああああああ」
その叫びにヒヤッと冷たいものが背筋に流れる。
え? まさか人巻き込んじゃった?
ヤバイ、回復しに行かなきゃ! そう思ってそっちの方向へと走った。
そこには、突剣を持った女性エルフが、女の子座りで地面にヘタリ込んでいた。
その目の前には、頭が焼け落ちたブラックグリズリーがいた。
人を巻き込んだ訳じゃなかった事に安堵して、声を掛ける。
「驚かせてしまってすみません。邪魔するつもりはなかったのですが、魔法使いなもので魔物に驚いて魔法を撃ってしまいました。素材等はお譲りしますので、どうか許して頂きたい」
頭を下げると、後ろから弓を持ったエルフの男が歩いてきた。
「敵じゃないようで安心した。中々やるな。って、お前……人族か?」
えっと、どんな立ち位置になるんだっけ? 争いはしてなかったと思うけど……
迷い込んだとでも言っとくか?
いや、足止めくらっても困るな。
正直に言うか。封印された魔物がもうすぐ復活してしまうと。
「はい。ですが、人族の代表として来た訳ではありません。この森に封印された魔物、それが占いでそろそろ解けると出たようです。同じ地に住まう者として捨て置けないと参りました」
あ、言わない方が良かったな。これじゃどんなに上手くいっても共闘、普通に考えたらこっちの事だから出てけって言われるよな。
無駄に時間掛かっちまう。
「それならばもう解けた。我らはその行方を追っている。だが、人の占いとは侮れぬものだな」
「そうでしたか。では、私もそれを追うとします。森は荒らさぬように注意して戦いますのでどうかご容赦を」
「ちょ、ちょっと待ちなさい! そんな事私達の一存じゃ決められないわ。それに不可侵条約もある。代表じゃないんなら尚更よ! 立ち去るか、こっちの代表と話をするかの二択にして頂戴」
ほう。とてもまともな意見で安心した。
「そうですね。封印が解けてなお、余裕がおありのようですから、余計なお節介だったようです。即座に引き返す事としましょう」
「ま、待て、もう少し話をしないか? 話も分かるようだし、手助けに来てくれたというのであれば、少し頼みたい事がある」
あ、もしかして、ここであのクエストに繋がるのか?
「どう言った事でしょうか? 自分でお力になれる様であれば、ある程度は叶えたいと思いますが」
うん。勝手に入って来ちゃってるから、面倒事になってから俺だとバレると困るんだ。
「それなんだがな。どうやら、人の領域に行った可能性が高いのだ。もし、大事になる様なら、それとなくこちらが意図的に流した訳では無いという事を伝えて欲しい」
え? 逆に黙ってた方が良いんじゃない? バレないと思うけど。
あ、いや、知っている俺という存在が居るのだから、向こうからしたらバレるの決定だと思うわな。占い云々とか言っちゃったし。
「そうですね。討伐の話が回ってくれば私も参加するでしょうし、こちらからと予測がついているようでしたらこっそり伝えておきます。私としても、勝手にこちらにお邪魔した手前、大事にはしたくありませんしね」
「助かる。とは言え、自発的に来た訳か。それでは報酬もないだろうに」
「ええ、でもエルフの方と友好的にお話が出来ました。冒険者の本分を果たしている気分ですよ」
これは、本音だ。エルフと初めて話した。ちょっと嬉しいしワクワクする。
女エルフも期待を裏切らないキレイさだ。まあ、この子はちょっと背が高めなのでそこまできゅんと来ないけど。
エルフの戦士的な子なのかな?
「な、何よ。私は簡単に信じるほど安くないから。この根性無しのヘルランみたく!!」
「おいおい、何でそんなにツンケンしてんだよ。争いにならなかったのは喜ぶべき事だろ。流石に国同士の争いになったらどちらも多くの命を失うのだから」
間に挟んで言い合いするの止めて欲しいなぁ……
でも、最初は男も居るのかよ何て思ったけど、この常識人が居てくれて良かった。これなら即座に帰れる。
「困らせるのは不本意なので。では、私はこれで帰るとします。きっとこちらから回ったのでしたら、あの山を越えたのでしょうから」
ゲーム知識を利用して、居る方角を指差す。
「同じ見解だ。即座にそう判断するとは。凄いな……」
「偶然でしょ。それより、ちゃんと帰るか見張らせて貰うわよ。いいわね!」
「すみません。付いて来るのは構いませんが、全力で走るので少し厳しい速度かもしれません」
その一言で彼女の沸点を越えた様だ。目が釣りあがり顔が赤くなっていく。
「森で、私の速さに勝てるですって? 言ってくれるじゃない」
あー確か、エルフは森でのステータスアップが種族特性であったっけ?
それでも厳しいと思うんだよなぁ。何レベルあるかは知らないけど。
「どうでしょう。私もエルフの方が初めてなもので。人の中では最速に近いと自負がありますが」
「あはは、止めておいた方がいい。勝っても負けても面倒だぞ?」
「あんたは黙ってなさい! そこまで言ったのだから、勝負よ。私はこの剣を賭けるわ」
えー、賭け事するの? 勝った時にかわいそうになっちゃうから止めておこうよ。君自身を賭けるなら全力で乗るけどさ。
うわっ、『怖気ついたの、この根性なし』とか言い始めた。確かに面倒だ。
「分かった。分かりました。じゃあ、俺はこのネックレスを提示しましょう」
俺が出したのは拘り過ぎて魔法少女グッズみたくなってしまったあれだ。
輝きすぎる鍵のオブジェクトを下げたネックレス。
付与三つが付けられる最高の物だ。これには魔法少女になれるをコンセプトにした付与がついている。『賢者の資質』『魔法使いの資質』『無詠唱』だ。
「す、凄いキレイ……そ、そんなの賭けちゃって良い訳?」
「貴方の方が映えるでしょうから、構いませんよ。貴方も宜しいのですか? 大切な剣でしょう?」
「ふん、私が負けるわけ無いのだから構わないわ!」
そして、彼女と俺の駆けっこが始まったのだが……
当然遅かった。そりゃそうだよな。
種族特性が付くって言ってもそこまでじゃないし。
遠く先で待っていたら、彼女は泣き出してしまった。
ヘルランにすら負けて彼女は最下位だった。
一番吼えてしまった手前悔しさマックスなのだろう。
「あはは、最初に移動してきた速さを見て凄いとは思ってたけど、これほどとはね。賭けに参加しなくて良かった」
「い、言いなさいよぉぉ。わ、私の剣が……」
「まあ、この勝負は無かった事にしましょう。私も突剣は扱いませんし、思い入れのある品を売り払うのも気が引けますので」
だから早々に開放して。いや、振り切って逃げるのはいつでも出来るんだけど。
「だ、ダメよ! 私が約束も守れない卑怯者になってしまうじゃない。それにいいわ、私魔法も得意だし。ヘルランに前衛をやらせるから」
そう言ってぶつけるように突剣を鞘に収めたまま投げつけてきた。
ヘルランは笑う。『俺は弓使いだよ?』と。
彼の雰囲気作りの上手さで彼女も俺も笑ってしまった。
二人は常に組むパーティーなの? と尋ねると本来は後二人居ると返って来た。
「ふむ。パーティーの戦力を奪うのは忍びないな。じゃあせめてこっちを貰ってくれ。魔法に特化した付与がついている」
「……それ、マジックアイテムなの?」
彼女の問いに頷いて返す。何度か『本当に貰っていいの?』と尋ねられたが全てに頷くと口元を緩めながら首に掛けた。
「それつけて使える魔法を詠唱無しで唱えてみて」
「『ウィンドアロー』」
風の矢が俺の頭上を掠めた。食らっても問題は無い威力だが、突然で結構ヒヤッとさせられた。
「ちょっと、何でこっちに撃つんだよ!」
思わず強く言ってしまった。だが、二人ともポカンとしている。
「待って、魔法の威力も上がってるし、何で詠唱いらないの? 付与、何?」
表情に棘が一切無くなったな。唖然としたからかも知れないが、少し嬉しい。
「『賢者の資質』と『魔法使いの資質』に『無詠唱』だね」
「レ、レジェンドクラス……そ、それをポンと上げちゃうのは不味いんじゃないかい?」
代わりにヘルランが眉間にしわを寄せたが、その言葉はこちらの心配であった。
「問題ないよ。自作だしね。ただ、吹聴はしないで。バレても咎めたりはしないけどさ。作れって人が押しかけてきたら困るから」
「こんなキレイな上に可愛くて、レジェンド級……ねえ、これ口説いてる?」
「いや、流石にそれは無いよ。もう会えないだろうし……でも、それくらいの装備なら簡単には魔物にやられたりしないだろう? 仲良くなった奴らには無事で居て欲しいからさ」
そう告げて、魔物がいった方向へとそろそろ本気で向かいたい事を伝えた。
それと、人間にも嫌な奴が結構いるから、最初から信用はしないようにねと伝えた。
「何であんたがそれを言うのよ!」
「俺は知らん奴より、知ってる奴を大事にするんだよ。種族なんて関係ないね」
「そ、そう。……ジェシカ」
誰かを呼んだのだろうと後ろを見てみたが、頭を叩かれた。
「何無視してんのよ! ジェシカだって言ってるでしょ」
「いや、その名前の人を呼んだのかと思って……俺はランス。よろしくなジェシカ、ヘルラン」
「……よろしくってこれでお別れじゃない。馬鹿なの?」
「まあ、いいじゃないの。俺の名前も覚えてくれたんだな。いつかまたどこかであえたら、また声を掛けるからさ。ランスも元気でな」
その言葉に返事をして走り始めた。
割と短時間で仲良くなれたし、時間は取られたけど良かったなと普通に思えた。
ゲームじゃエルフもドワーフも冷たいイメージがあったけど、人それぞれっぽい。いや、人ではなく妖精だが。
などと考えつつも名も無き村の方角だが、少し逸れた所にある山の方へと進む。
あっ、あのクエストの帰って来ないエルフっ娘の事聞き忘れた。
いや、もう魔物は復活してるんだし、聞かなくて良かっただろうか。
うん。その魔物を倒す。今から出来る事はそれだけだ。ゲームとの差異はちょっと知りたかったけど。
さっさと向かってさっさと倒すかな。オークの大移動も何とかしなければいけないしな。
一応今の段階から『ソナー』で魔物の動き探っておくか。
でも流石に赤点だけじゃどの魔物がそうだか分からないな。
あの洞窟に居なかったらどうしよう。
いや、居ないもんはどうにもならんな。ある程度探してオーク倒して帰ればいいか。
そろそろ近いな『ソナー』洞窟は山の麓だからそこら辺に反応ないかなぁ……
居ないな。こっち側じゃなさそうだ。
っと、居た! 一匹だけはぐれが居る。多分これだ。
当たりが付いたのでその赤点の方向に疾走する。
見えてきた。あ、ビンゴ! 洞窟発見。
中は……真っ暗だな『ライト』って……
「な、何で……『エクスヒーリング』」
照らされた洞窟の中は深くなく、最奥がうかがえた。
その場所には、予定通り禍々しい角を生やした馬面の二足歩行の化け物がいた。
封印されていた悪魔、アシュタロスだ。
エルフの少女を足からバリバリと食べている。
即座に回復を唱えると、再生した。という事は生きている。
だが、化け物は再生した所を再び喰らい始めた。
「って、いつまで食ってんだよ、このクソ野朗! 『エクスヒーリング』」
蹴り飛ばし、吹き飛ばそうとした。だが、その飛びつく様な蹴りすら、この悪魔は微動だにしなかった。
「グルルルルルフゥ」
やっとこちらに反応した、アシュタロスは馬面の癖にパンチを出して来た。
予想外だった。と言うか頭に血が上っていた。バフ掛けてねぇ。
スキルと使って無いとは言え、今の俺の飛び蹴りですら微動だにしない奴のパンチなんてもろに食らったら……
「し、しまっ『シールド』『フォートレス』『マジックシールド』」
パンチはギリギリ間に合った『シールド』によって弾かれたが、間髪居れずに飛んできた回し蹴りによって『シールド』が弾けた。
パリンとガラスが割れるようなエフェクトが走り悪寒が体を駆け抜ける。
即座に『シールド』を張りなおして距離を取ったが、張り付くように追いかけてきていた。食事を邪魔されて怒ってるのだろう。
だが、どうしてだ?
こんなに強くはないはずだ。
二発で『シールド』割られるとかおかしいだろ。
最終装備の素材の一つではあるが、このクエストはまだ装備作成クエストの初期段階。推奨レベル180程度だった筈。
あっ、そう言えば討伐の時って補助NPCが居たよな。
強さ抑えて貰って倒したって事か。
それに討伐後に封印したって事は実際は倒せないで終わっているという事になるのか?
ただ『私が抑えます。今の内に……』って言って立ってるだけのNPCだったから考えてなかった。
強さについてはどのクエストも強いって言うからスルーしてたが、実際はそんなやばめの相手だったって事か。
どうしよ。これ……ピンチじゃね?
と、取り合えず悪魔系で、弱点は火と聖だったよな。洞窟から出たらガチ攻撃だ。
シールド優先だが。
「『リフレクトシールド』『マジックバリア』『ウィンドウォーク』『スロウ』『スワンプ』『ホーリーベル』『アースバインド』『魔力増幅』」
もう少しだ。
このまま洞窟を出たら―――――よしっ!
ここで『フレアバースト』『アースバインド』『フレアバースト』って、やべぇ……
弾丸の様に突っ込んできて角がもうすぐ目の前まで迫っていた。大丈夫、オリハルコン装備。アクセもつけてる。『シールド』を仮に抜かれても一撃死はありえない。
そう覚悟を決めて『リフレクトシールド』の発動を願った。大した軽減にもならないだろうが、剣を抜いて角攻撃に合わせる様に『パリィ』も発動。
パリィン
「ぐはぁぁぁっ、『エクスヒーリング』『シールド』『アースバインド』『ファイアーウォール』」
いってぇ、マジかよ。全部、全部貫かれた。
『パリィ』で軽減になってねぇのか?
『シールド』一発で弾いてオリハルコン装備ごと肩貫くとか……
だけど『リフレクトシールド』がちゃんと発動したみたいだ。あいつも肩から血が流れてる。
俺は『エクスヒーリング』でふさがったがな! ざまあみろ馬面!
ならばここからは『フレアバースト』ひたすら連打だ。もう一回来てみろよ!
今度は移動した瞬間『トルネード』連発して移動阻害もしまくってやる!
そう思いながらも数十発の『フレアバースト』をぶち込んだ。『エクスプロージョン』とちょっと迷ったが、どう考えても火の強さで言えば前者が上だ。
魔法の格では同格だ。弱点が火なのだから間違ってはいないだろう。
き、来たっ。
『ファイアーウォール』追加して『トルネード』『トルネード』『トルネード』ダメだもう近い『アースバインド』!
後は合わせて『パリィ』
パリィン
「よっしゃぁぁぁ! 割られたけどダメージ無しまで持っていけた。やれる!」
絶対、絶対、勝って生き残る。じゃないとミラが死んでしまう。
自然にそう浮かんだ事に口元が少し釣りあがる。
自分よりも彼女の事が先にきた事で、自分はそこまでクソじゃなさそうだという事と、そこまで思ってくれる彼女が居るという事、それがこのピンチに俺に笑みを浮かばせた。
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