二代目魔王はLOVE&peace

@gtoryota1

第1話 二代目魔王、ネフィリム誕生

黒漆の大きなベッドに寝転び、黒くて長い髪と、尖った赤い目、尖った顎で、黒い肌に、背中に鱗のようなものがあり、3メートル近くある、ベルゼブルは痩せ細った長い腕を上げ、二十センチはある爪の人差し指をネフィリムに差し、か細いが、太くしゃがれた声で言った。


「ネフィリムや」


ネフィリムと呼ばれた男は魔族にしては身長が180センチと小さく、髪は赤くロングのストレート、目は他の魔族よりも穏やかで、ぱっちりとした二重で、黒い目をしていた。

鼻は高く、透き通るような白い肌をしていた。そして、背中にはほぼ全ての魔族にある、鱗が無かった。


魔族にも色々な種族があるが、ネフィリムのような魔族は他にいなかった。


そして、とても美男であった。

魔族にも美男美女はいる(基本的にイビツでお世辞にも美とは言えない)が、ネフィリムは比べものにならないほどだった。

よって、ネフィリムは魔族の女に非常にモテた。

しかし、その話は今は関係無い。


「ネフィリムや」


ベルゼブルは二度と呼んだ。

ベルゼブルの横の黒いソファーに座り、足を組んで考えごとをしていた、ネフィリムは、はっと立ち上がり、父、ベルゼブルのところへ行き、手を握りしめた。


ネフィリムはベルゼブルと手を握る時、鋭利のように切れる爪が肌に当たらないように、慎重に避けて握らなければならなかった。

下手に手を握れば大出血である。

ネフィリムは14度、それを体験しているので、いい加減、コツを掴んでいる。


「どうしましたか、父上」

ネフィリムはベルゼブルのベッドの横に片膝をついた。


ベルゼブルは酷く咳き込み、体をクノジに曲げた。

ネフィリムはベルゼブルの背中をさすった。


「わしの身体は、もうもたない。最後に、ネフィリムに伝えたいことがある」


「何でも仰ってください、父上」


ベルゼブルは最後の気力を振り絞るように叫んだ。


「ワシの代わりに二代目の王となり、人間を滅びし、この世界を魔族のものとしてくれ!」


ネフィリムは少し間を置いた。


「どうした、ネフィリム、出来ないと言うわけはあるまい」

ネフィリムは目を閉じ、スッと息を吐き、ベルゼブルの目を見つめたまま、透き通るような綺麗な声で言った。


「父上。後は私にお任せください」

ベルゼブルは小さく笑い、「任せたぞ」と言い、息を引き取った。



医師(魔族)は聴診器に似た形をしたものをベルゼブルの胸に当て、首を横に降った。

「御臨終です」


「ベルゼブル様!」

「魔王!」

側近の魔族達がベルゼブルに近寄り、涙を流した。


ネフィリムは立ちあがり、そこに居た魔族達に力強く言った。

「みんな、父上の遺言は聴いた通りだ。今すぐ、この国にいる、魔族全員を城の下に集めるんだ」


「仰せのままに!」

魔族達は涙を流しながら、胸に手を当てた。

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