第8話 教育的指導
ふふふ、ついにこの時がやってきた。
今日という地獄を乗り越え、俺は再び舞い戻る。
ベッドという名の戦場へ!!
昨日つけられなかった決着を、今日こそはっきりとつけてやる。
キノコとタケノコ、どちらが上か遂に決まる時がきた!!
ん?あれ?昨日そんな話してたっけかな?まあいいや、とにかく少年を言葉の暴力で蹂躙できればそれでいいのだ。
そんな事を考えながら、俺は夢の世界へと落ちていく。
▼
「少年よ一つ聞いていいか、何故あの小娘がここに居る?」
「昨日あれだけ説明しましたよね?アルビダだって」
思い出した!昨日はアルビダの真贋を問う討論会をしていたのだった!
手を体の横に添え、山、谷、山を描き、ボンッキュッボーンじゃないからアルビダじゃないという、俺の奥の手が炸裂し、あと一歩という所まで追い詰めたのだが、時間切れになってしまったのだ。
どうやら少年は、あれ程の苦境に立たされながらも自らの主張を変えるつもりはないらしい。
「その信念やよし!ならば戦争だ!」
「しませんよ」
げんなりした顔で少年が断りを入れてくる。
おいおいせっかく乗ってきたって言うのに、ノリの悪い少年だな。
「どうせ何言っても聞かないでしょ。勇者様は」
「そんな事はないぞ。俺の好みの回答ならウェルカムだ」
「それ?聞く気ないって言ってるのと同じですよ」
ち、相変わらず勘のいい少年だ。
実はもう、本当に冗談抜きで、後ろの小娘がアルビダ何じゃないかと思い始めてはいた。
だが認めたくないのだ。
アルビダが最早ボンッキュッボーンじゃない事実を…
そして何より……ここで認めると負けた気分になって腹が立つから!
しょうがないので悔し紛れの一発を放つ。
「まあ1000歩譲って、そこな少女がアルビダだったとしよう。だがロリペターンのアルビダに一体何の価値がある!!」
両掌を胸に当て、そのままストンと下に落としながら叫ぶ。
「あなたって人は…」
少年があきれ果てたという表情で、此方を見てくる。
だってしょうがないじゃん。わしロリに興味ないしー。
「やれやれ言いた放題ね。そもそもあたしをこんな体にしたのは、あんたなんだけど?」
え!?マジで!?夢の外の俺はロリコンって事?
うわー、やだー、サイテー。
だが本当に俺が変えたのなら、元に戻せるはず。
一縷の希望を胸に、脳内検索をかける。
お、出てきた!
何々、
対象を爺・婆・ロリ・ショタのどれかに、任意に変更させる魔法。
効果時間365日、解除方法、もう一度同じ魔法をかける、か…
「よし!んじゃ解除するぞ!」
「ちょ!!何言ってるんですか!駄目ですよ!」
「え?何で?」
「アルビダは死んだって事になってるんですから、元の姿に戻したら色々と不味いんですよ!」
「どうしてもダメ?」
「駄目です!」
「せめて先っちょだけでも!」
「意味が分かりません!とにかく駄目です!!」
融通の聞かないガキは嫌いだ。
何とかならんもんじゃろか。
困り果ててちらりとアルビダを見る。きっと彼女だって元に戻りたいだろう。
二人がかりなら説得できるかもと、甘い期待をもってアルビダを見つめる。
「さっきからじろじろ見て、結局はあたしの美貌に心奪われたってわけね」
次の瞬間アルビダがカエルの様にひっくり返る。
俺の右アッパーが奴の顎に突き刺さったのだ。
「2度目はないと言ったはずだ!!」
あれ?俺ちゃんと言ったよね?
まあ言ってなくても、言った体で押し通すとしよう。
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