夜に歩く、包帯のしじま

あ、と思ったときにはもうおそくて

 わたしの体は夜の中にほどけてしまっている


 しかたがないので、かけらをひとつひとつひろいあつめて


 ――――よいしょ――――



 なにせ真っ暗なので、足りているか、足りていないかとか、

  あちこちに、間違った場所においていないか、

   確かめようがないので できあがったすがたはずいぶんいびつですが





 た











かけら


なんか どうせ落ちていても誰も拾わないから


猫にでも食われてしまうのがお似合いだ


そう思って歩き出した。夜はもう


大陸の向こうへ逃げてしまおうとしている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る