「秋山が立たされた理由」欄のある学級日誌 15冊目🎁
如月 仁成
予告編 ハマシオンのせい
~ 九月二十五日(火、文化祭振替休校) ~
ハマシオンの花言葉 追憶
今年もこの季節がやってまいりました。
一月後に迫った誕生日。
プレゼントを考え始めなければいけません。
今年は、何を買ってやったものか。
まあ、何をあげても大抵喜んでくれるけど。
要は、気持ちが大事という事なのでしょうか。
…………そう言えば。
一度だけ、穂咲が嫌がったものがあったな。
あれは、なにをあげた時でしたっけ。
思い出せません。
「悩んでるの?」
「ええ、いつも悩みますよ。今回はどうしましょう」
「いい心がけなの。あたしも頑張らなきゃなの」
「と言うことは、また手作りですか? 心から嬉しいのですが、無理はしないで欲しいのです。俺もハードルあがるし」
「何言ってるの? もうすぐ中間試験だし、勉強しなきゃなの」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」
「……まさか君、テストの話をしていたのですか?」
「……まさか道久君、誕プレのことなんて考えてたの?」
…………ウソでしょ?
「ダメな道久君なの」
がーーーーん!
「ちょっとは真面目にならないと。もう、二年生も半分終わってるの」
がーーーーん! がーーーーん!
「あたしがしっかりしないと。また赤点なんか取らせることになるの」
がーーーーん! がーーーーん!
がーーーーん! がーーーーん!
……なんということでしょう。
立ち直れそうにありません。
ですが。
ここは汚名を返さねば。
「分かりました! 他の事は捨て置いて。勉強一本に絞りましょう!」
……などという俺の思いが。
まさかこうも簡単に砕かれるとは。
今思えば、波乱の一ヶ月は。
このやり取りが幕開けだったのです……。
「ええい! モノローグ風に、なんてことを言い出すんですか穂咲!」
「何となくなの。そんな予感がするの」
……その時は。
笑い話だと思っていたのですが……。
「だから! やめなさいって!!!」
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