予告その3

 大破した護送車に、一人たたずむ美少女。



「助けて……! お母さま……!」



 迫る戦闘人形エリダーナは、敵性種族たる環形動物群に操られていた。



「これで、後はこいつを連れて行くだけだ――何ッ、増援だと!?」



 空を飛翔し、未来の主の危機へと駆けつける漆黒のリナリア。



「どけ……! 僕はこの機体で、父さんとの約束を守る……!」



 通り抜けざまにエリダーナを一閃。

 神速の斬撃。



「何だこいつ……ぐわぁああああッ!」

「恐れるな、相手は1機だ!」

「撃て、撃て!」



 虚しい反撃を軽々とかわし、次々と斬撃を見舞う。

 そして最後の1機が爆散すると、リナリアから狐耳の獣人が降りた――。



「お怪我はありませんか、殿下」

「貴方は――」



 かくして、二人は出会った。

 彼らの育ての親と同じ出会い方を経て。

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