ラストデイ
ラッコ
第1話 終わりの始まり
テレビからキャスターの声でニュースが流れる。
「以前より衝突が予想されていたエレー彗星の軌道が再計算され、衝突が確定しました」
番組に出演している学者が、続けて説明をしている。
「衝突予定日は今年の最終日で、衝突後の生存確率は
「この星における現文明は、今年一杯をもって実質滅亡すると言って差し支えないでしょう」
僕はその発表の後から続いた「滅亡を回避する手段は」だとか「生き残るにはどうしたら」なんて話の飛び交う番組をBGMにしながら夕食を淡々と食べていた。この星が滅亡するのに何を呑気な、という人もいるだろうが文明なんて歴史が証明している通り、いつかは滅びる物なのだ。たまたまそれが今年限りだっただけ。たったそれだけの事だと僕は思ったのだ。第一、今は師走なのだ。今更焦ってどうなるでもないだろう。
ベッドに入って、明日どうしようか、学校はあるのかな、今年一杯で全て終わるのに学校に行ってどうするのか、などとぼんやり考えつつ、眠りにつく。
きっと最後まで、なるべく普通に過ごすのだと思う。少なくとも僕はそうしようと思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます