心はいつも・・・
勝利だギューちゃん
第1話
遠くへ行ってしまった・・・
手の届かないほど遠くへ・・・
手を伸ばしても、どんなに伸ばしても、
もう君には、届かない・・・
どんなに大声をあげても、君は聞えない・・・
もう、僕には敵わない・・・
わかってた・・・最初から・・・
君はいつか、僕から離れる事を・・・
そしていつか・・・僕の事は、忘れてしまう・・・
そう・・・完全に・・・
でも、それでいい・・・
僕の事は、忘れてくれ・・・
君は君の世界を、生きてくれ・・・
そして、どんどん大きくなってくれ・・・
自分の夢を叶えるために努力をしている君は、
とても、素敵だ・・・
なので、後悔はない・・・
ただ、僕はテレビや舞台で活躍する、君を応援する・・・
そういつまでも・・・
数年後、君は大スターとなった。
もう、僕には無縁の世界の人だ・・・
今こそ言おう・・・
「ありがとう・・・そして・・・お元気で・・・」
さらに数年後、もう彼女は国際的スターになった。
ふっきれたのか、何も感じなくなった。
僕の彼女への想いは、その程度だったのか・・・
情けなくなった・・・
そして、久しぶりにテレビで彼女を見た。
きらびやかな衣装を身にまとい、インタビューに答えていた。
僕はそれを、アパートの一室で見ていた。
しがない、やもめ暮らしだが、食うには困っていない。
インタビュアーが、彼女に質問した。
「今、会いたい人はいますか?」
「はい。います。ひとりですが・・・」
「どんな方ですか?」
「私が、デビュー前から、とても応援してくれた方です」
「いい方ですね」
「はい。叱咤激励してくれて、とても感謝しています」
「会いたいですか?」
「はい。どんな方ですか・・・」
「それは・・・」
その時、玄関のベルが鳴った・・・
心はいつも・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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