泡沫の記憶ー泡沫編ー

すぐり

プロローグとエピローグ

 開いた指の隙間から見える空は今日も青かった。

 虚しいほど寂しい青。冷たい蒼。

 いつまでもこの色は変わらないのでしょう。

 それなのに、昨日と今日では僅かに色が違うように見える。

 いや、変化しているのはいつも自分だ。一秒前の私を過去に残し、一秒先の未来へと歩いていく。変わる世界の見え方。

 あなたの見た空と私が見ている空は同じ色でしょうか。同じ青が見れたのでしょうか。


 出来ることならもう一度だけ、願いが届くのならあと一度だけ、この声を伝えたいと思ってしまった。

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