Spiriter’s Youth

鹿茸

 人類史において、思念素スピリウムの発見及びそれをコントロールする能力者スピリッターの登場は、これまでのあらゆる例外を集約したものだ。


 思念素と能力者の力で、この世界は大きく確変し、人類は歴史上はじめて、明確な進化の時を迎えた。


 能力者の特異にて強大なる力は時に驚異であり、時に平和の象徴でもある。


 我々人類は、これからの世界を、この絶望と希望の隣り合わせの力と共存して生きてく他ない。


 観念的な陰謀論を唱えるつもりはない。

 荒廃と略奪に満ちた末法思想を説くつもりもない。

 権力によって支配されたディストピアを預言するつもりもない。



 ただ我々は憂いているのだ。



 人類は、本当にこの力に適応出来るのかどうかを。




思念素の世界

     著・レオン・リーバー

     訳・水谷川 隆三

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