海ジン

@Kouta08

プロローグ




「将輝、海の底、ずっと遠くの海の底に村があることをしっとるか」

じいちゃんは今にも死にそうな声で俺に話しかけた。


「しらなぁい」


このとき、俺は確か4歳だった。

何故かこの話はずっと覚えている。


それから、じいちゃんは涙をためて俺にこう言った。



「そうか、、、いいか将輝

これからお前は沢山の人と出会うじゃろう

その人達、皆を守ってやるんじゃ

何があってもお前が守ってやれ

それが儂の最後の願いじゃ」


「なんでー?」


「儂には…それができなかったからじゃ」


俺は大きくうなづいて言った。


「わかった!守る!なんかヒーロみたいやね!」






「……ありがとう」


じいちゃんは声を震わしそう言った。

それはじいちゃんの最後の言葉だった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る