秋の木
勝利だギューちゃん
第1話
木々は完全に、緑から赤へと衣替えをした・・・
その赤い衣も、じきに脱ぐ・・・
そんな時期に差し掛かった・・・
僕はその並木道を歩いている・・・
どこまでも・・・どこまでも・・・
あれ?上手く歩けないや・・・
まっいっか・・・
どうせ、誰も見ていないし、興味もないだろう・・・
つまづいて転ぶ・・・
「てて、転んでしまった」
「大丈夫?」
手を差し出された・・・
女の子か・・・高校生か・・・
僕と同世代か・・・
「あっ、どうもありがとうございます」
その手を握る。
そして、起こしてもらう。
「ありがとうございます」
改めて、感謝の言葉を述べる。
「いいよ。それじゃあ、私はこれで・・・」
去っていく彼女におじきをした。
そしてまた、歩きだした・・・
どこまでも、どこまでも・・・
その先に、ひとりの女の子がいた?
さっきの女の子だ・・・
いや、他人の空似か?
まっいいや・・・
歩こうまた・・・
「さっきは、本当に大丈夫?」
「えっ」
「怪我はない?」
どうして知っているんだ?
やはりさっきの女の子か?
でもタメ口になっている所を見ると違うだろう・・・
「平気ですよ」
それだけ言うと歩きだした・・・
どこまでも、どこまでも・・・
するとまた、同じ顔の女の子がいた・・・
「よく会うね」
「えっ、どうして?」
「君を見てると面白くてさ」
「悪かったな」
「いや、そういう意味じゃないよ」
その子は笑う・・・
「一体どうして?」
一呼吸置いて。その子は答えた・・・
「私「たち」、人間だなんて、一言も言ってないよね?」
「たち?じゃあ何者?」
「君の周りにたくさんいるよ」
秋の木 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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