六季

「六季」作・水円 岳 さん

 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154964935


 作者様の作品紹介。


 六季と書いて、『りっき』と読みます。

 住民が三人しかいない島。島には、たった一つしかルールがありません。しかし、住人の誰もがそのルールに翻弄されることになります。

 三人の男が住んでいた島に、突然新たな住民が現れます。新たな住民となったヒロイン、リファは、六つの季節をどう駆け抜けて行くでしょうか?

 六つの季節それぞれ三日間を異なるナレーターが語る、ちょっと変則的な小説です。


 ◇


 この作者様の作品。御覧になると分かりますけど、ほんっと多いんです。

 多作。そして長編が多い。

 カクヨムに公開されてる作品を、私は全て読んでいます。

 この作品はわりと初期の作品ですが、とても素晴らしいので一押し。

 以下は私のレビューです。


 ──無人島に行くのなら、この本を持って行く。


 やや変わった設定のファンタジー小説。


 外界から閉ざされた謎の空間に閉じ込められてしまう人物たち。

 その島にある唯一のルール。はじかれたコインの指し示す運命。

 ヒロインを筆頭に、この場所に流れ着いた人物たちは重い過去から心を休める場所を探していた。そして待ち受けていたのは、優しくも厳しい自然との闘い。


 孤島の中で生きていくためには、動物を殺すことも植物の性質を見極めることも必要となる。何から何まで金さえあれば手に入ってしまう現代の生活とはまるで違う世界で、主人公たちは戸惑いながらもひたすら前に進んでいく。


 生きる意味。食べることの意味。生活することの意味。そして人との繋がりの意味。それらをあらためて突き付けられ、真正面から向き合っていく登場人物たち。

 やがて彼らは最後の選択を選び取り、休息期間は終わりを告げる。


 瑞々しい自然の描写にまずは感嘆する。そして意表を突く驚きのラストシーン。

 一気読みして下さい。

 生きている意味。生かされている意味。安らぎ。つながり。生きる意思。

 様々なことを考えさせられる優れた小説です。


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