空は、見えるのに。

◇空は、見えるのに。

(偽教授さん)

 代を重ねながら蜘蛛の文化が変遷し、当たり前とされる価値観が変わる中で、それを第三者として俯瞰で見ている有翼人、と言ったお話。構成……お話の「設計」がしっかりとしていて、安心して読み進められる信頼感があります。起こる出来事自体は比較的淡々と進んで行きますが、配された我々人間社会のカリカチュアやメタファーがお話の先への好奇心を刺激して飽きさせません。また文章や言葉遣いがきちっとしており、その整然とした構成と相まって国語の教科書に載ってそうだな、と感じました。僕にとっては「いいものを読んだな」という気持ちにさせてくれる老舗の小料理のような作品でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る