戦火の拡大

ウドは瞬く間にクラナの町を落とした

クラナに逃げ込む民とともに、ウドの騎馬兵がなだれ込んだためだ

ウドが民を追い立て、門を開けさせたのだ

町は、破壊され、略奪が起こった


救援にきたインバの兵士も間に合わず

逆に囲まれ、すべて打ち果たされてしまった



燃え上がる町

横たわる兵士と、民の死体


生きものの気配のなくなった町に

一人の男がいた

ドーゴであった

考え事をしていた

「これは私がやったのか

 いや、ウドがやったんだ

 しかし、武器を渡し情報を渡したのは私でないか

 生きるためだ、しかたがない

 ・・・申し訳ない

 山の民のためなんだ

 本当にそうなのか、他の方法があったのではないのか・・・・」


「私は、山の民のためにやっている

 それに、私の狙いがバレてみろ

 北も南も、私の事を恨むだろう

 今更、引き下がれない

 やりきるしかない

 儲けきるしかないんだ」


「ドーゴにインバを火の手を上げてもらおう

 これで、すべてを焼き尽くせば、あとで私を責める者もいなくなる」

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