北の領主

川の国は二つの地域を持っていた


北と南


二つの地域は山で隔てられていた



北は寒く乾燥していた

牧畜と農業をして暮らしていた



南は温暖で、やはり乾燥していたが

山の雪解け水が南に流れ込むため

農業に適した土壌になっていた

南は豊かで、港があり、

川の国の首都と呼べるものもあった




二つの地方は桟道でつながり

桟道の南側にはカラという関所の町があった






ある時、北の地方に異変があった

北の地方で小さな争いが起こるようになり

とうとう北の領主が替わる事態に発展したのだった


新しい領主をウドといった

ウドは争いで分裂した北の地方を、巧みな戦術でまとめるた


ウドは、北で起こった争いの原因が牧草をめぐるものと理解していた

そして、このことは、争いが終わった後も続くことを知っていたし

この争いで生まれた北の軍隊は、これからさらに牧草を求めることも知っていた




ウドは、北の軍隊を率いて行動を起こした

北の地方の争いが収束して間もなく彼らは南の地方のカラという町を襲って占領した



カラにも門番はいたが、争いらしい争いもほとんど起こらなかった

それほどに、北の軍隊は強かった


北の軍隊は鋼鉄でできた武器を持っていたのもその一因だった





ウドは、南の領主に手紙を送った


山から流れる水は半分は我々のものだ

南の地方へ流れている水を

北の地方へ分けてくれ

治水を行い流れを変える




しかし、聞き入れられない事は予想していた

だから彼らはカラの町を襲った

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