ほっとどっく・ぷれす


僕の車は 3人目のオーナーになる1600ccの中古のバン

君の車は 200馬力 260kmまであるスピードメーターの外車



僕の顔は 出掛ける前に一応は洗ったけど 無精髭がぼうぼう

君の顔は 出掛ける40分前から丁寧に仕上げたという



僕の髪は 洗いざらしを手櫛で整えただけ

君の髪は 出かける10分前にもう一度アイロンできれいに整えたという



僕のいでたちは 寝て起きたばかりのような短パンにTシャツ

君のいでたちは 初夏に映える黄色いポロシャツにタイトなスカート



僕の足元は スポーツ屋で半額で売っていたサンダル

君の足元は きれいな線が出るブランドのサンダル



僕の体は 長年の不摂生でぶよぶよ

君の体は 鍛え抜かれた筋肉に優しく脂肪がついている



僕の好みは 渋い味の赤ワイン

君の好みも 渋い味の赤ワイン

唯一 これだけが共通点



それでも 僕は 君が好きで

それでも 君は 僕が好きで



こんなの

80年代の「ホットドック・プレス」には載っちゃいなかった



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