FUL(L) Course
雲の後ろからの月明かり
グレーのビルの壁を色っぽく照らして
さっき降った粉雪は
とっくにアスファルトを黒く濡らしている
もうわずかになったネオンに照らされたビル風は
何枚も重ねた衣服を貫き
体の一番熱い場所までたどり着こうとしている
久しぶりの再会と
最初のビールから7時間経つけれど
その間に
言葉は語られ
微笑みは交わされ
料理は口に運ばれ
グラスは注がれ
気持ちは応えられた
そして
たわいもないクイズの答えを考えたり
たわいもないクイズのヒントを教えてあげたりしながら
だけど
言いたいことの半分だけをそこに置いたまま
言えないことの全てをそこに置いたまま
向ってくる冷たいビル風をやりすごしながら
歩いた
手を振ってから気がついた
そういえば
デザートを食べていなかった
引き返して
君をいただいてもいいかな?
否
君といただいてもいいかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます