帝国の白い愛花姫「フローラル」

青姫そよか

第1話 理想の彼女をついに見つけたぞ!

 僕はミカエル・アトランティス・第7皇子。

このアトランティス大陸の中を治める帝国の皇子なんだ。皇位継承権第7位で最下位。つまり皇帝になれる可能性は0だから、権力争いには巻き込まれないで済むし、僕はこの立ち位置を非常に気に入っていた。お金も女にも、ちょっとした権力にも不自由しない生活。そんな僕も皇女としてお嫁さんを探さないといけないんだよね?世継ぎの義務ってやつ?バカバカしいとは思うんだよねー。どうせ皇帝になんか成れるわけないし。


僕が皇女候補の彼女に求める条件は以下の通り。


1、僕の浮気に気づかない。

2、優しい。故に浮気にたとえ気づいても許してくれそう。

3、あとは皇女としての家柄ってやつ?体裁がよけりゃいいんだよね。


自分でも最低なことを言っているのはわかっている。でも、僕はこの金にも女にも困らなくて、ちょっとした権力も使えるこの立場をこよなく愛しているのだよ。


どうせ皇帝になれないんだし、なるつもりも毛頭ないし、そのぐらいの贅沢?許されるだろ?と言うわけで僕はそう言う「お嬢さん」を見つけるために夜な夜な婚活に励んでいたわけだ。


僕の忠実な親友を紹介しよう。

「セバス、良さそうな子は見つかったかい?」


紹介しよう彼の名前はセバス僕の家臣の長男で僕と同じような放蕩息子の、まぁ言うなれば男の悪友ってやつだ。彼の特技は何と言っても帝国一の喧嘩殺法だろう。ストリートファイトで彼が負けたことをみたことがない。武芸の試合ではルールがあるから卑怯な戦い方を是とする彼は勝ち上がれないが、なんでもありの喧嘩なら必勝。それが俺の護衛のセバスなんだ。女たらしなとこは俺似だけど、女の趣味は真逆。だから一緒にガールハントに行っても良い協力者であるわけだ。


「ミカエル様のご要望通りのお嬢さんのリストです。中でも、この貴族の娘のフローラルは狙い目だと思いますね。何しろ世間知らずですし、家柄も古く申し分ない。騙されていることに気づきもしない無垢な男知らずの子に違いありませんぜ。彼女、次の仮面舞踏会に出ると言う話です。どんな仮装するかも掴んでありますぜ。」


「結婚しても俺たちは自由!」

と僕たちはいつもの合言葉を唱え、拳を突き合わせた。


さぁ作戦決行だ。


結婚を人生の墓場にする気は毛頭ないぜ!




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