武良威ーBuRAIー

@karuka

プロローグ



 その日、世界は核の光に包まれた。


 世界の人口の95%が死滅。


 残った人類は、DOOMドームと言われる計画で生き残った人達のみ。


 DOOMドームとは、町を丸ごと高密度の合成金属で囲みこむ、所謂いわゆる巨大なシェルターであった。



 DOOMが存在する場所は全てで7つ。


 アメリカ大陸

 アフリカ大陸

 ロシア大陸

 オーストラリア大陸

 南アメリカ大陸

 ヨーロッパ大陸

 日本


 全ての場所で電子機械と呼ばれるモノは全て使用できない状態になっていた。


 それを予期していた、DOOMの開発者である武良昇むらのぼるは衛星を飛ばし今までの通信手段とは違う、流体波動りゅうたいはどうと呼ばれるエネルギーを元にした通信規格を作成しDOOMに備え付けていたのだ。


 国と言う概念が無くなった7つのDOOMは、通信の上での協議を重ね『世界政府』を設立した。



 しかし、全てがそう上手く回ることはない。



『光の日』を端緒としては、胎動し始めていた。


『世界政府』発足から5年後―――人々は、DOOMドームでの生活に慣れ始めていた。


 始まりは、アメリカ大陸DOOMドーム


 それはDOOMドームの外出点検を行っている時、多くの技術者が外に出て被害部分を修復していた。


 すると、二メートルから五メートルもある正体不明の多種の生物が大量に押し寄せたのである。


 それは、昆虫、動物など多種類であった。


 そして、銃や多くの武器を持ったアメリカの人々は、勇敢にも正体不明の生物を倒すために外に出て立ち向かったのである。


 しかしながら、その正体不明の生物に機関銃やマシンガンで傷をつける事はおろかロケットランチャーですら一瞬怯みを見せるのみであった。


 そして、防戦一方のアメリカ側は多くの死傷者を連れ撤退しDOOMドームの中に逃げる。

 それと、同時に周囲から正体不明の生物は姿を消したのだ。


 即ち正体不明の生物の目的は人間と言うことであると考えられた。

 その事は、他のDOOMドームにも直ぐに情報が伝わった。


 いち早くその対処に立ち上がったのは、DOOM《ドーム》の開発者である武良であった。

 そして、流体波動を元にしたエンジンを搭載した無人機兵を作成。


 機兵は、五メートル程の高さを持ちあまりにも無骨で一見樽のような見た目、重々しくそして、力強かった。


 武良が拠点としている日本DOOM《ドーム》周辺に現れた二メートル級の正体不明の生物を次々と倒していく。


 しかし、突如現れた五メートル級の正体不明の生物と相討ちとなった。

 それらを回収し研究した武良は一つの結論に行き着く。


 正体不明の生物は、DOOMドームの外の世界に蔓延する放射能を吸収し異常成長した生物である事、更には正体不明の生物の外皮は、従来の金属をも越える強度であることを確認した。


 武良は世界政府に抱いている懸念を出した。

 いずれこの正体不明の生物は、世界に蔓延する事、そしてDOOMドームを破壊しうる程の数になることを。



 彼は―――そこで提唱する。


 武良自身が作った機兵をベースにして有人機を作り上げ正体不明の生物に対抗しうる組織を作ることを。


 秩序の元に敵を討伐する為に動く『世界政府軍』、自分達のDOOM《ドーム》の守護する為に動く『義勇軍』である。


 そして、正体不明の生物は『害獣』と名付けられた。




 そして、時は経ち200年以上の月日がたった―――




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