ゲームに溶かした時間を求めて

青切

SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記

〇はじめに


 お金を払えば、ゲームは買える。

 しかし、いくらお金を積んでも、過ぎ去った時間を戻すことはできない。

 そして、時間は有限でもある。

 人にとって時間とは、代替の効かない、最も貴重な存在である。

 そして、その貴重な時間を、ゲームで溶かしてしまう輩の何と多いことであろうか。

 そのひとりである私が、他人から見ればドブに捨てるように時間を費やしたゲームについて語っていく。

 なお、私が話すのは、時間を溶かしたゲームについてであり、名作についてではない。

 おもしろいゲームでも、百時間以上は遊んでいないと言及しない。

 たとえば、感動のあまり感想文を書き、小学校で発表したMOTHERについては触れていない。

 あくまでも、私の時間を溶かした作品が対象になる。

 まずは、ガチャポン戦士2をはじめとした、ガンダムのゲームからはじめよう。



〇SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記


・製品情報

ハード:FC

発売元:バンダイ

ジャンル:ウォー・シミュレーション

発売日: 1989/6/25



・概要

 ガンダムの世界を舞台に、敵軍本拠地の占領または敵の全滅を目指すゲーム。

 ゲームは以下の二つのパートから成る。

 ①モビルスーツなどの移動や生産を行うシミュレーションパート

 ②格闘アクションによる戦闘パート

 ゲームとしては②が肝で、機体の性能差を技量や地形で補えば、ザクⅡでゼータにも勝てる。

 モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを教えてくれる作品。



・思い出

 小学校低学年の時に、ファミコンへジュースをこぼして遊べなくなったのだが、あまり困らなかった。

 そもそも私はゲームにあまり興味がなく、家にあった機体は、父親が私の机から勝手にお年玉を取り出して買ったものであった。

 早速余談だが、子供のころ、私がドラゴン・ボールをテレビで見ていると、父が次々に展開を当てるので、私は彼を鳥山明だと思っていた。

 少年ジャンプの存在を知るまでは。

 そしてそれは、私が初めて他人に殺意を覚えた瞬間でもあった。


 それはさておき。

 当時の私は、外で野球や虫捕りをしたり、ノートで自作のゲームブックを作ったりしたほうが楽しい小学生であった(ゲームブックの説明は省略)。

 そのため、そのままゲームと縁のない人生を送るルートもありえたが、そうもいかず、私をあるべき人生行路へ引きずり戻したのが、ガチャポン戦士2であった。

 ガチャポン戦士2は、SDガンダムを題材としたゲームとして最も古く、また、ウォー・シミュレーションとしても初期の作品になる。

 このゲームを友人宅で遊び、私はすっかり魅了されてしまった。

 ファミコンと一緒に購入して、時間を溶かしに溶かした。


 このゲームを私が好んだ理由は、まず、今でも十分に楽しめるゲームとしての質の高さにある。

 操作性とバランスがすばらしい。


 二点目としては、私が、SDガンダムのガチャポン、カードダス、プラモデルに、お小遣いのほとんどをつぎ込んでいたことが大きい。

 SDガンダムは簡単にいうと、二頭身にデフォルメされたガンダムのモビルスーツのことである(ガチャポンとカードダスについての説明は略す)。

 私にとって「ガンダム」と言えばSDガンダムであり、アニメではない。

 ククルス・ドアンなんぞは知らんのである。


 私が小学生のときは、レンタルビデオが普及する前であったため、アニメは本放送か再放送に出くわさない限り、観ることができなかった。

 そのため、当時は、アニメは見たことはないがSDガンダムに親しんでいる子供が一定数存在し、そういう私たちの購買力がビジネスとしてのガンダムを支えていた時期があった。

 私たちの存在がなければ、Gガンダムは誕生しなかったかもしれないのだ(なぜ、そのチョイス)。


 三点目は、生来の歴史好きで、ウォー・シミュレーションゲームと相性がよかったためである。


 ガチャポン戦士を遊び倒したことが、その後の歴史ゲームやシミュレーション・ゲーム好きにつながったと思う。



 このガチャポン戦士からは、様々なゲームが派生している。

 たとえば、ゲームボーイから出ていたSD戦国伝はあまりにも遊びすぎたため、最終的には「ゲームボーイを逆さにもってプレイ」するという、その後の暗い人生を予感させる遊び方をしていた(逆さプレイは、レッドアリーマーでもやっていた)。

 ほかにも、ガチャポン戦士シリーズから派生したゲーム群に、GGENERATIONシリーズがあり、これにもずいぶんと時間を費やした。


 というわけで、次回は「SDガンダム GGENERATIONシリーズ」とする。

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