第16話 幕間-3
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名前:御堂河内 美城
クラス:西王母
レベル:1
サブクラス、サブレベル、スキル等は一切なし。
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……これは本当だろうか。
新入女官のステータス確認は、入宮式後に必ず行われるものだ。
ステータスによって女官を振り分けることで、優秀な人材が一つの部署に
ただし、古くから、個人のステータスは、他人が見たり知ったりするものではないとされてきた。
それゆえ、各自のステータスは、自己申告制としている。
自分のステータスを他人に知られたくない者は、一切を黙秘する。
その者については、残念ながら、最低ランクとして扱う。
逆に、自分を少しでもよく見せたい。
少しでも上の位や、係につきたい。
そう望む者は、必ずと言っていいほど、本当のステータス以上の嘘の申告をする。
レベル5であるにも関わらず、10だと報告したりするのだ。
彼女の場合はそういった行為は全く見られなかった。
ある一点を除いては。
それがクラスだった――。
「はぁ? クラスが『西王母』? ちょっと君ねえ。ステータスに表示されたままを言ってもらわないと……」
「はい。そのままを言っています」
「……。じゃあ、君がそのままを言っているとしようか。『西王母』ってなんだか知ってるよね?」
「すいません。分かりません」
「……。じゃあ、なんで『西王母』なんて言ったの?」
「え? それは、そう書いてあったので」
「……。分かった……。行っていいよ。次は、あそこの列に並んで。身体測定ね」
「はい。ありがとうございました」
まさか……な。
本当の訳がない。
ここで相手の力量を見極めて、本来のステータスを上に報告するのが我らの役目。
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名前:御堂河内 美城
クラス:女官
レベル:1
サブクラス、サブレベル、スキル等は一切なし。
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よし。
これで良いだろう。次だ。
「次の人~!」
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