すてきな服

深夜 酔人

 ――ああ、ああ、どうしよう。

 ハルはベッドの上で毛布にくるまりながら、眠れぬ夜を過ごしていました。とうとう明日は友達の誕生日。せっかく買った服はあまり似合ってなくて着たくない。ほかの服はその服があるからとクリーニングに出してしまっています。どうしようもない憂鬱に溺れそう。お金を出すために壊したバラバラの貯金箱が視界にちらついて、ハルは泣きそうになりました。

 もういっその事寝てしまおうか。この出来事は全て夢かもしれない。そんな気休めも、今は強く信じたいと思い、ハルは目を閉じました。すると不思議な事にどんどん眠気が襲ってきました。先程までのことは嘘のように安らかな気持ちになります。

 ――ああ、やっぱり夢だったのかな……。


 翌朝、目覚ましとともにハルはゆっくりと身を起こしました。ふと隣を見て、ハルはとても驚きました。とっても綺麗な真っ赤な服……。そうか、やっぱりあれは夢だったんだ。ハルはそれを着ていくことにしました。

 朝食を食べる時に昨日の夜は何たらかんたらと言ってきましたが気分がよかった私は適当に返事をして、服に着替えて走って友達の家に。何故かアラームの時間がギリギリになっていたのでパーティーはもう始まっているはず。ハルは急ぎました。


 2分くらいでハルは友達の家に着きました。ドアを開けて中に入ります。

「ごめーん少し遅れたー!」

「あー、ハルちゃんやっほ……え、何その服……」

「え? 普通の綺麗な服でしょ?」

「その色……血」

「え?」

「イヤアアァァァァァ!」

 友達はみんな逃げていきました。どうしてだろう、いつもとおなじのはずなのに……。

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