【BL】幻想学園恋愛物語(短編)

翔馬

雨の魔物

 そこは小、中、高等部までの校舎と隣に併設された大学部まで一貫のマンモス学園であった。すべての学生、教師が男性の男子学園となっている。

 それもそのはず、この世界では今ある性別は男だけ。

 ではどうやって子を成すのか?それは男同士が番うことで夫夫ふうふとなり受け入れることにより着床、胎児が発芽するためには愛を注ぎ続けなければならない。何故なら両親の魔力を一番多く含むのが体液だからである。ちなみに番として結ばれると子を育てる機関が備わり排泄機関とは別になるので日常生活に問題はない。恋愛関係となり受け入れる側となった男性に魔力をもって出来上がるのである。生まれつき因子は誰もが持つが普段は現代の地球における男性と何ら変わりはないのである。

 しかし決定的に違うことはこの世界では人の子は皆が大なり小なり魔力を持つことである。他にもいろいろ違いはあるがここでは置いておこう。

 そう、ここは太陽系第三惑星地球に存在する日本ではない。みんな大好き異世界である。


 これはそんな男性オンリーの異世界で起こる恋愛物語である。





⭐⭐⭐







 その日はずっと雨が降っていた。

 世界が灰色に覆われて暗い朝、彼はのっそりと半身を起こす。

 むむむと唸りながらベッドを出ようとして転がり落ちる。

「いってぇ」

 絡まった布団をはねのけると出てきたのは今日の空と同じ灰色の毛並み。くすんだ色と言われるそれを自分でもぱっとしない色だと思っている。

 癖のついた少し長めの髪をわしわしかいているとぴょこんと顔をだす三角の大きな立ち耳は狼の獣耳だ。

 朝と言うにはやや遅い時間、起き出したのは人狼のヴェイスだった。


 ヴェイスは枕元に壊れた目覚ましを発見してぎょっとしつつ急いで着替える。

 黒ベースのブレザーに青いラインの入ったタイをひっかけただけで部屋を飛び出す。ここは高等部の寮である。校舎に近いとは言ってもすぐ隣というわけではなく街を挟むので距離はそこそこある。

 鍵をかける間も惜しく寮の外階段をかけおりて街の中を脇目も振らず走る。いつもはここで昼食を調達するがそんな暇はない。学園の門が閉まる前に間に合うかどうか。ヴェイスは耳を後ろに倒し長くフサフサの尻尾をピンと伸ばして走っていく。


 人狼の本気を見たか。

 ぜーはーと息を切らしながらヴェイスはなんとか門が閉まりきる寸前に滑り込んだ。傘も持たずに走ってきたので途中で振りだした雨で全身がぐっしょりと濡れている。身震いしたぐらいで乾くわけでもないが不快感にぶるりと頭を振るとはたからうわっと悲鳴が上がる。門を閉めていた風紀の生徒にひっかけてしまったらしい。とりあえず謝るくらいはと振り返って固まる。

「…げ」

「げ、とはご挨拶だな。ヴェイス」

 傘を持っているにも関わらずヴェイスによってかけられた雨に濡れた顔を拭っているのは高等部だけでなく学園中で有名な男。

 サラサラ艶々の黒髪、すっと通った鼻梁、きりっと凛々しい眉に切れ長の鋭い瞳は深い海のよう。体育の合同授業で見られた身体はギリシャ彫刻のようにたくましく、腹筋はきれいに割れていた。文武両道に長け上からも下からも慕われるパーフェクトな風紀委員長、アレク・クラビズだった。


「クラビズ…先輩」

「おはよう。遅刻ギリギリだけど」

「…はよっす」

 やや目をそらして挨拶を返したヴェイスはアレクが少し苦手だ。

 この世界では色が濃いほど潜在魔力が強いとされている。量は一目で判別するのは不可能だ。つまり白に近い灰色のヴェイスは魔力が弱く、アレクは強いというわけである。本能的にびびってしまうのだ。

 高等部に上がるとすぐに彼は風紀で頭角を表し、二年から委員長を務めている。なので彼を避けて早く登校するようにしていたのに今日に限っては目覚ましを叩き壊してまで惰眠をむさぼってしまった。雨が降っていたとはいえ、不覚にもほどがある。

 ヴェイスは魔力は弱いが腕力はある。但し雨など水に濡れるのを好まずこのような天気にはアンニュイになるという性質があった。

 急ぐためについそのままで走ってきてしまったがやはりずぶ濡れになったのは失敗だったようだ。力が抜けてへたりこむ。

「具合が悪いのか?」

「う…」

 聞かれてもなんとも答えられない。こういうときは乾くまでじっと耐えるばかりだったので放っておいてほしかったのだが、力が入らず首を振るのも億劫で仕方ない。


 濡れた地面に座り込んで動かないヴェイスに戸惑ったがアレクは風紀委員長らしく保護することに決める。

「とりあえず移動するぞ。このままじゃ風邪を引く」

「…」

 アレクはなんとか頷いたヴェイスをこともあろうに横抱きに抱えあげる。いわゆるお姫様だっこである。雨によるだるさがなければ活火山のごとく真っ赤になって止めろと叫んでいたと思う。幸か不幸か今は大人しくされるがままであった。ただ遅刻寸前だったため周りにはアレクとヴェイス以外居なかったことは救いだっただろう。全校に人気の男にお姫様だっこされるなど目撃されればファンにやっかまれること請け合いだ。


 体格にそんなに差があるとは思えないのに軽々と抱き上げたアレクはそのまま校舎に歩き出した。足取りも普段とかわりなさそうだ。抱えられて密着した大胸筋の厚みに悔しさとない交ぜになった憧れがヴェイスの頭を掠める。筋肉か、筋肉の差か。

「風紀室は…今なら誰もいない、か。…役得だな」

 何やらぶつぶつ言っているがだるさでぐったりしているヴェイスには詳しく聞き取れなかった。ぼんやりと見上げるときれいにとがった顎が目に写る。何となくそのラインが色っぽくて、噛みつきたくなるのは角度がいけないのだろうと思った。せめて撫でてみたい、と思ってから少し意識が冴える。な、な、な、何言っちゃってんだ俺?いよいよ雨でやられてるんだよな?そうだよな。それだけだよな…?

 ヴェイスだけが焦っている内に涼しい顔でアレクは風紀室に入っていく。


「よし、ソファに下ろすからな」

「…んぅ」

 目をそらしてアレクに返事しようとして失敗して情けない声が漏れた。羞恥に頬が熱を持ちますますそっぽを向いていたが、くっと息を詰めた気配にちらりとうかがうとアレクがソファの足元にしゃがみこんで片手で顔を覆っていた。彼も具合が悪いのだろうか。アレクは鬼神種で姿の特徴は耳がやや尖っているのと今は見えないがこめかみと額の間から角が生えているだけで能力が高く耐性に問題はなかったはずだが。

「くら、びず?」

「…っ、何でもない気にするな。それよりどうだ少しは楽になったか?」

 言われて鈍い頭で考えてみる。確かに濡れっぱなしの外よりは大分楽になった気がする。けれどまだ、もう少し改善の余地があると思う。思って身じろぎ、むうと唸る。軽く唇をつきだす癖が出る。実は気づかずやっているこの癖が可愛いと密かに囁かれているのをヴェイスだけが知らない。

「何だコレ可愛すぎる試されてるのか俺は…」

 何やらまたぶつぶつ言っているが聞こえていないヴェイスはアレクの袖をつんと摘まんで引いた。

「あの…」

「はっ、な、何だ?」

「脱がして…」

「えっ」


 弱った目に見上げられてアレクはいつもの風紀委員長らしい冷静さもどこかに置き忘れたように動揺してしまう。力が入らず横たわっているヴェイスはしどけなく色を漂わせているように見える。まさか誘われてるわけ…。

「服、濡れて…」

「あっ、ああ…ま、紛らわしいな…」

 あり得ませんねそうですね。ちくしょう。風紀委員長も普通の男の子なのだ。努めて平静を装いヴェイスの服に手をかける。ひっかただけだったタイはもう落ちていたので拾ってコーヒーテーブルに放った。続いてブレザーのジャケットを脱がせるために上半身を胸にもたれさせるようにした。

 するとヴェイスの額が大胸筋に当たりほんのりと高めの体温が移る。雨にさらされた体に温もりが心地よくて無意識にすり、とアレクの胸に額を擦り付けていた。


 一方のアレクはといえば顎をくすぐる獣耳がくすぐったいやら可愛らしいやらで内心悶えまくっていたが、なんとか手を動かしジャケットを剥ぎ取るのに成功する。

「ぬ、脱げたぞ。これでいいか?クラスの方に連絡入れておくからヴェイスは横になって休め…って、おい?」

「や、もっと…」

「も、もっとって?」

 今度こそ騙されないぞと歯を食い縛って聞き直す。思春期でも我慢ができるアレク。同じ轍を踏まない風紀委員長の鑑である。聞けば案の定服、服、と言って焦れたように摘まんだ袖を引かれる。しかしもっと服を脱がせるというのは。躊躇うがずっと袖を引くので仕方ないとシャツのボタンをはずしてやる。

「ん…気持ちぃ」

「…………わざとじゃないよな」

「もっとぉ」

「……………マジか」

「脱がして?」

「…くっ」

 手を止める度に袖を引かれ仕方ないと言いながらベルトも緩めズボンも靴下まで脱がすことになり、ヴェイスは前を全開にしてパンツは辛うじて履いているという状態だ。あられもない姿にアレクは斜め下に視線をずらすがどうしてもちらちらと視界に入るヴェイスに意識が集中する。


 生徒達はシャツの下にTシャツやタンクトップを着ることが多いがヴェイスは素肌のままでシャツを身に着けていた。生まれつきなのか日焼けのない肌は白く雨に濡れた今は光っているようにすら錯覚する。薄いピンクの突起が濡れたシャツに透けているのがまたこちらの精神を試しているとしか思えない。更に彼は人狼ゆえに長い尻尾のためにローライズのボクサーパンツを愛用しているらしい。腰にうっすら見える腹斜筋がアレクを誘ってくる。尻尾の先をちょこちょこ振っているのも機嫌良さ気で、もう手を出すのを待ってるんじゃないかと思えてくる。いやいやいや。自分は風紀ですよ?無防備過ぎるからと言って手は出しちゃあいけない。合意の上でないと。

「ヴェ、ヴェイス?ゆっくり休んでいろ、俺は連絡してくるからな」

「………ん」

 ようやく落ち着いたのか少し恥ずかしそうにしながら袖から手を離すヴェイスにアレクは思わず頭を軽くなぜてからソファから立ち上がった。


 人狼種は雨に当たると力が抜けてだるくなる。加えてまれなことだが幼児退行を起こすことがある。今のヴェイスがそれだった。その間の記憶はもちろん残る。残ってしまうのだ。連絡のため隣の委員長執務室に行ったアレクの姿がドアで見えなくなってからヴェイスは羞恥に頭を抱えて丸くなる。耳が後ろにぴったり寝て尻尾が革張りのソファをバッシバッシと激しく叩く。脱がして、とか気持ちいい、とかもっと、とか。とんでもない醜態をさらしてしまったとうずくまる。ちっちゃくなりたい今すぐに。きゅっと丸まるが高校二年男子の身体は小さくなりません。小刻みに震えるヴェイスのところに連絡し終えたアレクが戻ってくる。

「どうした、また具合悪いのか?やっぱり風邪か?」

 口をついて出る言葉が優しいのは醜態をさらした俺への気遣いなのかそれともアレクがもとから優しいのかどっちだろう。どっちもか。くっそ恥ずかしい。

 だがずっと顔を隠していては余計に彼の邪魔をすると思いほんのり赤い頬のままそろりと顔をあげた。

「いや、その、手間をかけさせてすんません…も、もう平気なんで」

「あ、いや気にしなくていい。さっきヴェイスと同じクラスの風紀委員に連絡をしたが、人狼は雨が苦手らしいな。まだ外は雨だしだるいんだろう。保健医にも聞いてみたが今日は休めと言っていたぞ?」


 人狼の中でも耐性が低い方のヴェイスは濡れていなくても雨の日はだるさが辛い。小雨の時はいいが激しく降る日やうっかり濡れたときなどは早引けしたり休んだりしていた。だからいつもと同じで寮の部屋に帰って休めるのはありがたいはず、だったのだが。何故か動けずじっとアレクを見つめてしまう。

「ん、何だ辛いなら肩を貸すか」

 声変わりが早かったせいかどうかアレクの声はとても低いが穏やかな響きを持っている。その声がじんわりと染みて…コレだ、と思った。いつもと違うのはアレクの存在だったのだ。アレクの傍が居心地よくて離れがたい。なのにそわそわしてしまう。何だかわからないが急にこんな格好をさらしているのが恥ずかしくなった。

 この世界で番う相手は誰も同じ男である。ちょっと脱いだからと言ってどうこうはあまりないのだ。無いのだ、が…さっきから甘えてしまったのもあり余計に恥ずかしく感じてしまう。

「ぅ…お、俺こんな、カッコ悪ぃ…」

「カッコ悪い?むしろくそ可愛いんだが、あ」

「えっ」


 ヴェイスの呟きに思わず素で返してしまいはっと口を押さえたがもう遅い。正気に戻っていたヴェイスもしっかり獣耳で拾って首まで真っ赤になる。シャツをきゅっと合わせた手が震える。

「…あの」

「すまない。気持ち悪かったか、だが」

 アレクは震えるヴェイスを勘違いし謝り一度目を伏せた。だがすぐにヴェイスの足元に跪く。ヴェイスのくすんだ金の瞳を青い瞳でまっすぐに見つめて、告げた。

「ヴェイス、ずっと気になっていたんだ。一度校門前で見かけてから俺は気がつくとお前を見ていて…どうやら避けられていたようだが」

「あ、あれは、その、魔力の強さが、ちょっと」

「ちょっと?」

「いや、だから、う~…ビビっちまうんだよ、本能で…」

 同じ男として悔しく口ごもるがここで言わないとこじらせそうで不味い。そう思って渋々口に出すがアレクは疑わしそうにヴェイスを見て眉間にシワを寄せる。そんな渋い表情もかっこいいなと思ってしまう。

「怖いか?」

「怖くない!…今、は」

「…そう、なのか?本当に?痩せ我慢してるんじゃ」

 不安そうに聞かれてちょっと可愛いと思ってしまう。

「本当だって、…ほらっ」

 思いきって抱きつく。がっしりした身体が小揺るぎもせずに受け止めてくれるのがまた、心地いいなんて。ああもう参った。


 中等部の水泳大会で見たときから実は憧れと苦手意識の狭間でふらふらしていた自覚がある。校門で一度目があったことも覚えていた。まさかその時から、アレクはヴェイスを意識して、ヴェイスは避けていたとは思いもよらなかった。

 けれどこうして近くにいて触れてしまえば認めざるを得ない。強烈に惹き付けられる感覚。彼が俺の番だ、と。


「好き、だ…」

「ヴェイス…俺も、好きだ」

「クラビズ、先輩」

「家名じゃなくアレクと呼んで欲しい」

「…あ、アレク」

「ああ」

 たまらなくなってキスをする。あっという間に主導権はアレクに奪われソファに押し倒された。








 ちゅく、と互いの口から漏れるリップ音に煽られて手を伸ばす。触ってみたかったアレクの顎に指が触れるとそれだけでゾクッと腰に震えが来る。

「…ん、何だ?」

「顎の、ラインがなんか…きれいだ、って」

「そう、か?ヴェイスのこの辺の方が…」

 ついと腰を撫でられて声を噛み殺した。睨むが丸い目を細めて涙をにじませているので全く効果はない。

「…ずっと色っぽいけどな」

「っん、なことねえ、よ…俺はただの灰色狼、で」

「銀色だろ?」

「は?」

「お前の色、校門の前で見たときから、太陽に光ってきれいだ、ってずっと思ってたよ」

「き、きれいじゃ、ねー、って、んぅ」

「ん、じゃ、可愛い」

「かわいくも、な、ぁ、くぅ」

 いちいち反論する度に口を塞ぐようにキスをされてむうと口を尖らせるとそこにもまたキスをされた。

「これも、可愛いって皆言ってるぞ」

「…みんな?」

「唇尖らす癖。気づいてないのか」

「え、俺そんなこと、してた?」

「してる、すごい可愛い」

「あっ、う、嘘、可愛く、な…ぃ」

「頑固だな。…けどそういうところも、堪らないな」

「あっ、ダメ…ぇ」






 ♂♂♂







「…だからね、無茶はさせちゃだめでしょーが。雨の日はいつもより体力もないの!ちゃんと人狼のこと勉強しな!」

「ハイ、…ハイ」

 珍しく風紀委員長が叱られてる。あれ、ここ風紀室じゃないな。ヴェイスの意識が浮上してくる。外は雨が上がっているのか寝起きは悪くない。それよりも腰がヤバイ。

「…あ、れく」

 喉もかれていた。気がついたアレクが慌ててこちらに来る。保健医が呆れた顔をしているのが見えた。


 あのあと気を失い、気が動転したアレクに色んな汁でドロドロのままで運ばれたらしい。…授業中で良かった…!今は綺麗になってさっぱりしてるので拭いてくれたのだろう。

「ヴェイス!すまない。やり過ぎた…」

「…ん、まぁ、次は、晴れてる日に、な」

「番おめでとー」

「…せんせ、すんませ、ん」

「いいよいいよ、気にしないで寝てな、君はね。気にしなきゃいけないのはそっちの鬼っ子だから」

「ハイ」

「あ、あー、ん、まぁ、でも、いいって言ったの、俺だ、し」

「もう、あんまり甘やかさないの!まあ、番に甘くなっちゃうのわかるけど。体も大事にしないと。もう君には子供を産む機関が出来てるんだからね」


 保健医の言葉ではっとした。そうか、俺たちはいつか親になるんだ。

「俺、アレクの子を、産める、のか」

 そう思うとついつい顔がほころんでしまう。

「ああもう可愛いヴェイス!」

「う、わ!」

「こらこら、力任せに抱きつかない!じゃあ、体調よくなったら鍵閉めて明日風紀委員長君が持ってくるように。いい?」

「ハイ」

 気を遣ってか保険医が先に出る。お礼を言って見送ったあと再び二人きりになる。

「…改めて、すまない…ブレーキが効かなくて」

「ん、や、うん…」

 あれから三回くらい(ちょっと記憶が…)イカされちゃったんだよな。俺も誘ってしまったわけで…。でも、二人のため、いや、もしかしたらできる家族のためにも。うん。

「ちょっとだけ、我慢も、して?」

「うっ、…わかった。子供も、だが…ヴェイスが大切だから、セーブするよ」

「ん…ありがとう、…大好き」

「ヴェイス…キス、だけ、…いいか?」

「…キス、だけ、ね」


 キスだけでまた腰が抜けたヴェイスは結局またお姫様抱っこで寮まで運ばれることになり翌日も半日休み、先に登校して鍵を返却したアレクはまた保健医に長いお説教を頂くのであった。

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