第17話〜死んだ後の世界〜
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俺たちは死んでからも世界を繰り返した。
その行為はカミサマとやらの怒りを買った。
永遠に安らぎを得られませんよ、と。
それでも、全員が生きて同じ世界で笑って終える、そんな世界に生きたいと世界を繰り返した。
「ハッまさか死んだ後も修行とはね!」
「仕方ねぇじゃん!生きたいもん!!」
ここは神の目の届かない秘密の世界。俺たちは死んだ後ここへ集合して修行と称して、神ではない何者かの意志のもと、異形の魂と闘っては倒してを繰り返していた。
その間に新しい技を考えたり、時には戯れあったり。
「おう、遅かったな仁」
「今日の敵多すぎワロタちくしょう喰らえっ!!」
スバババババっと敵を千切りにする仁。
「お前も充分ジェノサイドじゃねぇか仁!」
「お前は度を越してるんだよッ!!」
緋音にキレる仁。
死ぬたびに生き返るために何千年と戦った。
生き返るたびに死にたくないと何千回と繰り返した。
そんなこんなで、徐々に魂と力は強くなり、繰り返す度に反省点が生まれた。
地獄に行くでもなく、天国行きでもない、ただただ戦い続ける。
そうしているうちに、
仁は、覚醒していられる時間が長くなり、剣術のスピードと精度は爆上がりした。また、今までは2本しか出せなかった刃物も複数呼び出せるようになった。身体能力全般が上がり、体力も筋力もスピードも上がった。
六花は、今までの百発百中の能力のほかに、いつでも好きな銃を取り出して戦える能力を手に入れた。近接戦は未だに苦手だが、いつでも銃を取り出せるようになったので、そこそこカバーできるようになった。
ちなみに、保管できるのは銃だけではなく、大好きな味噌汁パンも保管している。
黒成は、元からあった強大な能力の復活と、覚醒能力者として膨大なエネルギーを完璧に操ることが出来るようになった。最終技は、自分自身をエネルギーに変換することで無敵状態になる『エレクトロックマスター』である。
使用後は服がなくなるので、服が確保できるまでずっとエレクトロックマスターのままという弱点が。一回目の変身の時は、分からずスッポンポンになってしまった。
緋音は、今までの戦闘特化型の変身能力とともに、血液を自在に操る能力が使えるようになった。この血液を使う能力で自身の体を補ったり、手足を失っても血液で補い、安静にしていれば治る。血を相手の脳に侵入させて能力者特有の細胞を壊し続けることで能力を無効化する(ただし敵に触れていないと発動できない)能力を手に入れた。
涙音は、絵を現実に引き出す能力が、頭の中で思い描いた万物を召喚できる神級の能力になる。
身体能力も上がり、瞳の色は赤く染まった。その理由は何度も転生を繰り返して緋音の血を何千回何万回と浴び、緋音の腕をもらったことで、血の結びつきが強くなり、本当の姉妹になるほど血の繋がりが強くなったため。
秋夜は、能力を捨てているので変化はないが、装備できるものが増えた。
装備するタイプの大型武器
ガトリングガンと大型ロケットランチャー(装填している弾は、核弾頭である)。大型ブースター、長距離の移動と空中での高速戦闘が可能。
内部の仕込み武器
両腕に赤熱したナイフを一本ずつ、両脚に折り畳み式の赤熱剣。
そして背中にブースターを装備。高速戦闘や空中で戦うことが出来る。
タカは、能力は透明化して自身を消していたが、覚醒後は全てを消す能力を得た。
無機物は念じるだけで、生き物は対象の肉に触れることで消すことが出来る。
消すといっても、捉え方は様々であり、姿を消すものから、存在自体を消したりと、かなり万能。こちらも神級の能力である。
菅野は、受けた傷を完全に操る能力を手に入れた。相手に傷を移すも良し、自分の傷を治すも良し。かなり使い勝手が良い。
火呂は、そもそもちゃんとした能力者ではないのだが、覚醒!と叫んだ事で能力が覚醒。以前よりもちょっと無理をしても、何とか大丈夫、という能力を得た。
限界を超え、極限を超越し、ついに人の身では到達できない境地へ至った。
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神はどうしても、こいつらを殺したかった。
能力のない世界へ飛ばせば、災害で殺す。
能力のある世界へ飛ばせば、人災で殺す。
それなのに、何度繰り返してもこのイレギュラーたちは戻ってくる。
神は間違いを犯さない。
それなのに、突然生まれたこのイレギュラーたちは、神の決めた運命に抗う。
赦されない。許してはならない。
このイレギュラーを赦しては世界が変わってしまう。神の存在が危うくなる。
神の苦悩は続くばかりだった。
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