決戦にて 開幕戦と落ちてきたもの
全ての準備を終えた僕達は陣形を整えてたたずんでいた。今回の陣形は、まず僕とリンリーが乗ってる
始めは正面突破を狙う事から矢印のような陣形で行こうとした。でも、今回の敵はどんな攻撃をしてくるかわからないため、どの方向から攻められても一定の戦力で迎撃できる空から見下ろしたらサイコロの五に見える陣形を選んだ。…………うーん、すでに向こうから僕達が進軍間近だと見えてるはずなのに何の反応もない。一応、
「ヤート君」
「何? ナイルさん」
「会議で話してた事を準備してて」
「……わかった」
ナイルさんに言われてからラカムタさんを見るとラカムタさんもうなずいてくれた。周りを見ても、みんなうなずいてくれるからいつでも良いみたい。僕は腰に巻き付いている
「
「大丈夫です。絶対にヤート君を支えてみせます」
「うん、頼りにしてる」
僕はリンリーに身体を預けながら杖になった
「私達の目的は教団の全てをはっきりさせる事。もし、邪魔が入ったり明らかにおかしいところがあれば、すぐさま排除と捕縛に切り替えるわ‼︎ さあ、進軍開始よ‼︎」
「「「「「オオオオオオオオッ‼︎」」」」」
ナイルさんの号令と同時に僕達は進み始めた。
しばらく土煙を立てながら進み、教団の本拠地を守る砦のような町の詳細がわかる距離までやってくる。僕は集中しつつも
「ラカムタさん、外壁の上に三人いるよ」
「俺も確認した‼︎ 全員、俺達への出迎えだ‼︎ 気を引き締めろ‼︎」
さて、どんな攻撃をしてくるのかな? 常に
「不敬な愚かどもが軽々しくこの地に近づくな‼︎」
「天罰を降す‼︎」
「大罪を胸に沈め‼︎」
外壁の上の三人が叫ぶと外壁の周りの地面から大量の泥が吹き出して僕達の方へ向かってくる。ああ、こいつらリザッバと同類か。それなら問題はない。会議で提案した通りリザッバみたいな死教を倒すのは僕の役目だから、僕は目を開けて魔法を発動させた。
「
「「「何っ‼︎」」」
「この程度を逃れて良い気になるな‼︎」
「もはや手加減はせんぞ‼︎」
「楽に死ねると思うな‼︎」
「「「来いっ‼︎」」」
城壁の上の三人が叫ぶと今度は外壁の向こう側、つまり町の中からいくつもの魔石が飛び出てきた。今までは一体ずつだったけど、今回は…………二十体くらいか。これも特に問題ない。
「
「「「「「「ギャギャアアアアアアア‼︎」」」」」」
「「「バカなっ‼︎ 神の卵が‼︎」」」
僕の魔法の発動とともに
僕の
「
魔法の詠唱が終わると僕達の頭上に数百の深緑色の魔弾が現れて発射していき、次々残った魔石を撃破していく。そしてついでに城壁の上の三人にも魔弾を浴びせていった。
「「「「ギギャアアアアアアア‼︎」」」」
「「「貴様っ‼︎」」」
破壊された魔石の破片が飛び散る中、このまま押し切るため新しく魔法を唱えようとした時に
思わず掌で受け止め見ると、魔石の欠片から小さい指輪が剥き出しになっていた。
「ヤート君、何が落ちてきたんですか?」
「…………」
「ヤート君?」
リンリーが僕に呼びかけてるけど、僕には答える余裕がない。なぜなら僕は
「お前ら……」
「ヤート君、どうしたんですか⁉︎」
「お前ら、この人達を食わせたな?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想・評価・レビューもお待ちしています。
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