編集済
詩一さん、このたびは作品を読ませていただき、ありがとうございました。
最後まで目が離せない展開でした。
神は本当に神なのか。
メロンは本当に真実を語っているのか。
お母さんは本当に自覚がないのか。
提示された情報をそのまま鵜呑みにすることがなかなかできず、真相を知りたくてずっと話を追いかけました。
また、神やメロンの言葉がすべて真実だと証明された場合、主人公がどのような決断をするのかも気になりました。
メロンの言葉は整合性があるように思えますし、主人公の疑問に対しても「バグ」という言葉を用いてきちんと答えていますが、もしかしたら嘘かもしれないという可能性も考えながら読みました。
この「信用できない雰囲気をうっすらと漂わせている」という微妙な描写がすごくうまいなと感じました。名作『ポンと叩けば』の不穏感を彷彿とさせます。
お母さんには本当は自覚があり、主人公が勇者であることに気付いていて、何らかの理由により殺せず、自分が生き延びるために演技をしているのではないかということも考えましたが、紗凪さんを助けるために刺された時点でそれはないとわかり、ほっとしました。
また、誰か一人を犠牲にして多くを救うのは是か非か、というテーマは名作『無限の死のアリス』にも見られましたね。あの作品は詩一さんの価値観をかなりエンタメ寄りにアレンジしているのだと気付きました。
社会に対するさまざまな矛盾や不平等を描いた詩一さんらしい作品だと思いました。
いろんな方向から多くの人を救う作品だと感じます。
追記
楽典足志縞が何者だったのか、気になりました。
手紙が添えられていたということは、このメロンが何かということを知っていたのですよね。
作者からの返信
ハルカさん
コメントありがとうございます!
この度は私の作品の中で最も長い長編を手に取ってくださりありがとうございました。
この作品に関しては、あまりプロット通りにいかなかったと言うか、社会問題提起に力を入れ過ぎてストーリーを見失うことがしばしばあったところもあり、そのせいで不穏感が出ていたのかなとちょっと思いました。いい方向で作用しているなら良かったですが、私自身がコントロールできるようにならなければいけないなあと思いました。
あとは、燈瓏自身が猜疑心の塊みたいな人間だったので、そのせいで不穏感が流れていたようにも思います。
ポンと叩けばや無限の死のアリスを出してくださりありがとうございます。
仰る通り、私らしい——『一番言いたいことを言った作品』だと思います。
この作品を書いたことで『エンターテイメントとは?』と言うことを改めて見直すことが出来、「今後こんなに説教臭いやつ書いちゃダメだな」と思うに至ったわけです。
逆に言うと、これだけ詩一色の強い作品は二度と書けないでしょう。
楽典足志縞……。
ええ、あいつはいいやつでしたよ……。はは……。
すみません! マジであのあたり行き当たりばったりに書いちゃってて、ただの名前だけのやつになっちゃいました!
これはもう、本当に謝るしかないです。
もしもこの作品を書き直すことがあったら、良煙寺家に行くんじゃなくて楽典足志縞に会いに行かなきゃですね。伏線張りっぱなしで回収しないってのは良くないです。
構成に自信なしと言うのは、こういう部分なのでした。
ほっとけない・・・ほっとかない・・・とても控え目で優しい言葉が余韻として響きます。
恋愛は2人の人生や人格までを含めて恋するということなのだと感じました。
登場人物たちのいくつもの恋の気持ちが、最終話ですべて報われているように思います。
仕事や一日のことが終わった後、この物語を楽しみに過ごさせていただきました。
本当にお疲れさまでした。
素敵な小説をありがとうございます!
作者からの返信
naka-motooさん
コメントありがとうございます!
「愛してる」や「好き」って言葉は燈瓏には言って欲しくないなあと勝手に思っていたのですが、彼の遠回しな科白が結果的に良い余韻となってnaka-motooさんに届いたようで何よりです。
naka-motooさんの日々の生活の中にこの物語が在ったと思うと、大変光栄です。
最後の方、間隔が空いてしまって申し訳ありませんでした(汗)
こちらこそ、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!
完結お疲れさまです!
終わってしまった寂しさもあります。でも、それ以上にこのラストが読めて良かったです。紗凪にすごく感情移入してしまったのもあり、胸にくる終わり方でした。
紗凪本人は、燈瓏のいう通りお母さんの事もお父さんの事も、これからも背負って辛い思いをすると思いますが。燈瓏のこの告白で、未来にずっと彼がいる安心感が、彼女に大きな何かを灯す事になってくれたんだろうなと。まさにサブタイですね。今までの彼の言葉やお母さんの言葉に、何だか私まで救われちゃいました(*´ω`*)
上手くこの感動を言い表せないのがもどかしい…端的に言って、感動したし大好きです。
長々と失礼しました。
詩一さんの想いが、バグった世界という設定から比喩的なものを感じたり、紗凪や彼女に向けた言葉などにすごく投影されていて。大切に読ませていただきました。
苦しくもリアルで素敵な物語を、ありがとうございました!
作者からの返信
朝山なのさん
コメントありがとうございます!
終わってしまって寂しいとは有り難い。
実は自分もそう言う気持ちはあります。彼らの人生の本の一遍を紡がせて貰っただけなのですが、もっともっと紡ぎたかったと言うのが正直なところです。
しかし、彼らの一番激しくて辛くてそれでも幸福な瞬間を切り取るのが小説だと思ったので、これにて完結とさせていただきました。
朝山なのさんの仰る通り、紗凪はこれからも背負って辛い人生を生きていく事になると思います。それでも、(これももう本当に言う通りなんですが)傍に彼が居るのできっと大丈夫です。
救済と言える程の事をやってのけた実感はありませんが、この物語が末永く朝山なのさんの胸の中に残って頂ければ幸いです。
後、感動した、大好き、で十分伝わります。こういう素直な感想を頂けたとき、物凄く心が救われて、洗われて、普段自分がいかに言葉に頼って小説を書いているのかを気付かされます。真実は多くを語らないものですね。
こちらこそ、大切に最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!
めちゃくちゃ面白かったです
作者からの返信
@aromaticさん
コメントありがとうございます!
この度は最後までお読みいただき、またご感想、評価までくださりありがとうございました。大変励みになります。