第37話

誰も、僕の外見には何も言ってこないのは気を使われているからなんだろうか。

それとも、普通に自己紹介したから?


”なぜバスケットボールをするのか。

なぜ強くなりたいのか。”


僕のもう一つの母国はバスケが盛んな国で、とても有名。

生まれも育ちも日本だから、日本人として過ごしてるけど

父がアメリカ人で、身長もそれなりに高く育った。

夏になっても肌は焼けにくいし、髪は明るい。

名前も、春日ってファーストネームみたいだったから、母の苗字を名前のように使ってる。

外人みたい、なのが

それが昔からいやだった。

だけど、ある時期を除いては、ずっと彼がそばにいてくれたから

楽しく過ごせた。


”なぜバスケットボールをするのか。

なぜ強くなりたいのか。”



「ハルヒ、俺とバスケしよーぜ。お前、俺よりでかいし。」


彼が僕をそう呼んでくれるから、

彼が僕にバスケを教えてくれたら

僕はバスケをする。


じゃあ、なぜ

強くなりたいんだろう?


小牧はどうなんだろう。

僕とバスケしたいのかな。

僕より強い人とバスケができるようになったら、

僕は必要なくなるのかな。


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