第36話

5km過ぎてから、体力の差は少しあらわれた。

「ペース大丈夫?5km通過。よく頑張ってるぞ。」

「ええ、まだ半分!?」

「いつももっと走ってるだろ、お前。」

「それはジョーが無理矢理走らせてるだけだろ〜。」


ハルヒと津島は一番後ろでついてきている。


「あと5km、ちょっときついかもしれないけど、その間に考えてほしいことがあるんだ。

これはヘッドコーチからの伝言。


なぜバスケットボールをするのか。

なぜ強くなりたいのか。」


俺が大人になっても

出せない答えを

中学生に問うなんて

すごい、真剣だと思った。


童心だからこそ

何かわかることってあるのか

でももう俺は

当時の、中学のころの心でないから

子供の直感では答えが出せない。

それが悔しい。


周りにいる彼らが羨ましい。

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