第25話

「今日、部活終わってからひまか?」


「えー?居残り練習ですか!?合宿で時間ないから課題やらなきゃいけねーのに!」

「お前やんねーだろ。」


式が終わって教室に戻ろうとしたとき、他学年担任の部活顧問の八木先生に呼ばれた。


「ちょっとな、それの買い出しだ。」

「え!買い出し!?行く!」



終業式は午前中に終わってしまい、一度帰宅してから部活となる。

帰宅が面倒な者は、弁当を持ってきていたりした。


「昼もNBA漬けなんて、お前さすがな〜」

八木先生が弁当を持って、PC教室にいる俺と枇杷島に話しかけてきた。


「八木っちが研究しろっていったんだろ〜」

「そうだな、偉い偉い。お前はもう好きな選手決まったのか。」

「いやあ、俺フォワードなのかセンターなのかまだ決め兼ねてるからなあ。」

「ポジションなんて考えるな。固く考えなくていいんだぞ。」

「だって、ジョーはガードって決まってんじゃん。俺ジョーとコンビプレーしたいからやっぱフォワードなのかなって。」

「なるほどなぁ。」


うんうん、と頷くが正確な答えはださない。

「まあ、ゆっくり悩め。」


と、サンドウィッチをかじった。


「今日部活が終わったら、そのまま職員室に来いよ。

そのままスポーツショップに行く。

合宿前に必要な物、そらえなきゃな。」

「やった!何買うんだ!」

「お前らちゃんと着替えはあるよな?あとは、合宿中の栄養補給に必要なプロテインや、アミノ酸。

テーピングや、まあ色々教えてやる。」

「中学からもう飲むんですか。」

「知ってるのか。お前は特に筋肉つきにくそうだから、飲まないとな。でもつけすぎると身長伸びないから難しいんだよな。」

「俺も180以上は欲しいと思ってます。じゃないと、」

「ああ、わかってる。食事面もこれから考えてやるから安心しろよ。

俺の嫁さん、栄養士なんだよ。」


弁当は野菜中心にして本当に前より気を使うようになった。

無駄な脂肪を落として、

体を軽くする。

高く飛んで、

全部のシュートを確実に入れるために。

はやく、走るために。

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