第16話

後悔ってなんだろう。

大人になってもスポーツを続けるって誰でもできるのに

なぜ、後悔なんて言葉がよぎるんだ。


「一緒の学校行かね?」


部活が終わって、二人で帰宅している時

枇杷島が言った。


俺はかたまった。

こんな事、前は言われた事なかった。

はじめて言われた。


「え?どうしたんだよ、急に。」

「なんか最近、ジョーすげー頑張ってんじゃん。バスケっていうか・・・全部?

わかんねーけどさ、部活外でもバスケもだけど筋トレとか。前なんてジョグ大嫌いだって言ってたのに誘ってきたり。」

「いやだって、ガードってめっちゃ走るじゃん。」

「ほら!それだよ。前は役割とかあんまり意識してなかっただろ?

なんか楽しいんだなって思って俺も楽しくてさ。」


息を呑んだ


楽しい、が共有できていることがとても嬉しい瞬間だ


「前、顧問が言ってただろ。選抜練習とか、推薦とか。

顧問は俺らペア推しだし、一緒にやらね?俺お前ともっと強くなりたい。」

「はじめて、そんな事言ったな・・・」

「え?」

「いや、前は、っていうか、そんな事思ってるなんて、知らなかったからさ。」

「何言ってんだよ。俺ずっと思ってたよ。

お前とチームの時めっちゃ調子良いんだって。でも、前はお前そんな本気じゃなかっただろ。」

「いやまあ、小学生バスケは、」

「それもだけど、なんていうか、最近だよ!お前変わった!」


変わったんだ

俺も

枇杷島も


「俺、お前と、ジョーと一緒に本気で強くなりたい。」

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